奇跡“3度打ち”!ジャイアンツ ワールドシリーズ切符

[ 2012年10月24日 06:00 ]

<ジャイアンツ・カージナルス>3回無死満塁、ジャイアンツ・ペンスはバットを折られながらも“3度打ち”で走者一掃の適時二塁打を放つ

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第7戦 ジャイアンツ9―0カージナルス

(10月22日 サンフランシスコ)
 「世紀の3度打ち」が大逆転Vを呼んだ。ジャイアンツは22日(日本時間23日)、カージナルスとの第7戦に9―0で大勝。1勝3敗からの3連勝で、2年ぶりのリーグ制覇を果たした。2点リードの3回無死満塁でハンター・ペンス外野手(29)の打球は、折れたバットに当たって打球方向が変わる幸運な二塁打。3人の走者が生還し、試合は決まった。24日(日本時間25日)に開幕するワールドシリーズでは、ア・リーグ王者のタイガースと対戦する。
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 これぞ秘打!2点リードで迎えた3回無死満塁。5番のペンスは、2番手ケリーの内角に食い込む初球のシンカーにバットを折られた。遊撃手のコズマは三遊間方向に1、2歩動く。ところが、打球はスライス回転のような軌道で、二遊間を抜けていった。不規則な回転に中堅手も打球処理にもたつき、一塁走者まで一気に生還。ペンスは信じられない表情で二塁ベースに立っていた。

 「こんな打球見たことない」とコズマは目を丸くした。中継したFOXテレビの「スーパースローモーション」が衝撃の事実をとらえていた。バットは根元から折れ、本来ならボテボテのゴロだったはず。ところが、ペンスのスイングスピードの速さから、折れたバットが打球を2度も後押し。1度目は芯に近い部分、2度目は先端。バットに当たるたびに方向を変えて中堅へ抜けたのだ。

 前代未聞の「3度打ち」。映像を確認したペンスも「ボールをよく見て、強く打球を叩こうとだけ思ったんだ。明らかに3度ボールを叩いた。でも説明なんてできないよ」と驚くしかなかった。

 試合後、カ軍のバークマンは「反則じゃないのか?」と叫んだ。しかし、公認野球規則には、折れたバットに当たった打球は、プレー続行とある。右肘手術で離脱中のジ軍守護神ウィルソンは「ゴルフなら2打罰だが野球は関係ない。ステーキ3枚分(3得点)だ」と高笑い。この回の5点で試合は決まった。

 日本では巨人が大逆転で日本シリーズ進出を決めたが、米国のジャイアンツも1勝3敗の崖っ縁からの3連勝。レッズとの地区シリーズも2連敗から3連勝しており、「負けたら終わり」の試合は6連勝となった。神懸かり的な粘りに、かつてヤクルトでプレーしたヘンスリー・ミューレン打撃コーチは「ウチには何かが乗りうつっている」とまで言った。

 相手はヤンキースを4連勝で撃破したタイガース。ブルース・ボウチー監督は「相手は偉大なチームだが、われわれも特別なチームだ。決して諦めない姿勢を見せてくれた」と自信満々だった。2年ぶりのワールドチャンピオンへ向け、確かな勢いを手にした。

 ≪野球規則に特例付記≫公認野球規則の6・05(h)には「打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。ボールデットとなって、走者の進塁は認められない」とあり、いわゆる「2度打ち」は打者アウトとなる。しかし、折れたバットに当たった打球についての特例が付記されている。

 【原注】バットの折れた部分がフェア地域に飛び、これに打球が当たったとき、またはバットの折れた部分が走者または野手に当たったときは、プレイはそのまま続けられ、妨害は宣告されない。打球がバットのファウル地域で当たったときは、ファウルボールである。

 今回のケースは、フェアゾーンに飛んだバットに打球が当たっており、「2度打ち」には当てはまらない。

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