ダル4四球初失点…無休、走り込みで疲労下半身粘れず

[ 2012年3月15日 06:00 ]

<インディアンス・レンジャーズ>3回無死二塁、マートンに四球を与えたレンジャーズのダルビッシュ(左)と声をかける捕手トレアルバ

オープン戦 レンジャーズ8―8インディアンス

(3月13日 グッドイヤー)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が13日(日本時間14日)、オープン戦2度目の先発となったインディアンス戦で、メジャー初失点を許した。昨季は一度もなかった1試合4四球と制球を乱し、3回を3安打2失点。キャンプでの疲労がピークで体に切れがなかった。それでも、スライダーを軸に配球を変えるなどの工夫で、大量失点は逃れる意地は見せた。次回登板は再び中5日で、19日(同20日)のブルワーズ戦が予定されている。

 「彼がいなかったら、10点ぐらい取られていたかもしれない」。会見の最後。ダルビッシュは初回に盗塁を2度刺した捕手のトレアルバについて聞かれると、そう苦笑いしたが、それほどに苦心の投球だった。

 「コンディション的に良い状態じゃなくて、球がばらけていた」。7日のパドレス戦での無失点デビューから中5日。全米生放送されたオープン戦2度目の登板は、初回の先頭打者から連続四球と制球が定まらない。特に直球とツーシームが高めに抜ける。左足を上げるタイミングを変え、腕をしっかり振らないと投げられないカーブを序盤から使うなどしてフォーム修正を試みたが、功を奏さなかった。

 最大の要因は疲れとみられる。メジャーは日本と違いキャンプは原則無休。さらに最近は通常メニューに加え、体の切れを出すために走り込みも行っており、その疲労が逆に下半身から粘りを奪ってしまった可能性がある。前回は最速97マイル(約156キロ)を記録したが、この日は95マイル(約153キロ)止まり。また、滑りやすいと言われる大リーグ公式球に関して、順応途中だともいえる。この日もイニング間にベンチで新球を手にするなどして指になじませようとする姿があった。

 全61球でストライクは半分以下の29球。それでも、大崩れはしなかった。3回、二塁打と連続四球で無死満塁。直後に2番打者にツーシームを右前に運ばれた。しかし、続く秋信守に対しては「横のスライダーで狙い通りにダブルプレーが取れた」と二ゴロ併殺打に打ち取った。結果的に予定の50球を大幅に超える61球で何とか3回を投げきり「ストライクが入らず、絶体絶命のピンチを経験でき、そこを少ない失点でしのげたのは良かった」と収穫も口にした。

 ロン・ワシントン監督とトレアルバは「彼も人間ということ」と口をそろえた。「人間」だからこそ、異国の環境で経験を積み、一つ一つ学びながら前に進んでいけばいい。

 ▼レ軍ロン・ワシントン監督 まだ2試合目だよ。この時期に結果は関係ない。有が何かを学んで前進してくれればいい。

 ≪昨季1試合あたりの与四球率は1・40≫ダルビッシュの昨季レギュラーシーズンでの与四球は28試合に登板して36個。1試合最多は4度あった3個止まりで、4個以上は10年5月29日阪神戦の4個が最後だった。05年デビュー以来の9イニング換算の与四球率は4・58→3・85→2・12→1・97→2・23→2・09→1・40。昨季は自身最も少ない数字だった。特に初回は打者102人に対し1個だけ。立ち上がりに制球難で苦しむことはなかった。

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2012年3月15日のニュース