史上初！ソフトＢ完全優勝　セ、パ全１１球団に勝ち越し

＜ソ・オ＞全１１球団に勝ち越しを決め、ナインを出迎える秋山監督

パ・リーグ ソフトバンク９―２オリックス

（10月10日 ヤフーＤ）
　その強さ、完全無欠なり。ソフトバンクは投打にオリックスを一蹴し、同一カード３連勝。今季の対オリックス戦の勝ち越しを決めた。これで交流戦でのセ・リーグ６球団を含め、セ、パ全１１球団に勝ち越す史上初の「完全優勝」を達成。リーグ連覇に花を添え、秋山監督も「一つ一つ積み重ねてきた結果」と達成感に浸った。

　２回に５点、３回に４点。いずれも起点は８番・明石の安打だった。そこから上位に回し、大量点につなげた。どこからでも得点できる切れ目のない打線。寺原の乱調にもつけ込み、４番松田は２つの押し出し四球を選んだ。「３タコだけど２打点。しっかりボールを見ている証拠です」。その押し出し直後には、いずれも長谷川が適時打を放って今季初の４打点。「押し出しの後で制球に気を使うだろうと思っていた。甘い球を積極的に打てた」。がむしゃらにバットを振るだけではない。硬軟織り交ぜた攻撃こそが強さの源だ。

　「走者が出ればチャンスを広げられる能力が個々にある」。長谷川がそう言えば、秋山監督も「ワンチャンス、ツーチャンスをものにできた分、楽な展開になった」と満足そうだ。リーグ連覇が決まっても勢いは止まらず、これで８連勝。試合後は選手が福岡市内の焼き肉店、監督ら首脳陣が寿司店で祝勝会を開催した。勝利の美酒に酔ったが、チーム内に浮かれた雰囲気はまったくない。「クライマックスシリーズ、日本シリーズで勝って、完全優勝だと思う」と松田。それこそがチーム全員の思いだ。

　≪交流戦開始後初の快挙≫ソフトバンクがオリックスに勝ち、今季の同カード勝ち越し。パで同一リーグ全５カード勝ち越しは０８年西武以来。ソフトバンクは交流戦でセの６球団にも勝ち越しており、全１１カードの勝ち越しは０５年の交流戦開始後初の快挙。この日はホールトンが田中（楽）と並びリーグトップの１８勝目。外国人の１８勝以上は６７年バッキー（神）の１８勝、パでは６４年スタンカ（南海）の２６勝以来。パで１８勝が２人以上は、９０年に野茂英雄（近）渡辺久信（西）がともに１８勝して以来２１年ぶり。