岸 4度目の凱旋登板でようやく初白星

[ 2010年6月23日 06:00 ]

<楽・西>スタンドを見上げて笑顔の岸

 【西武5-3楽天】視線はスタンドに向けられていた。地元・仙台での初のヒーローインタビュー。4度目の凱旋登板でようやく白星をつかんだ岸は、家族や友人の姿を確認しながら照れたような笑顔を見せた。

 「物凄く緊張しました。(仙台で)なかなか勝てなかったですけど、普段通りに投げようと思っていました。きょうは勝たせてもらったという感じです」

 初回からピンチの連続。4回には4安打を集中され、5回には聖沢にプロ1号を許した。6回を投げ、11安打3失点と苦しみながらも粘りの投球でリーグトップタイの9勝目をつかんだ。

 「虫が多かったです」とおどけた2年ぶりのKスタ宮城でのマウンド。仙台出身で、大学も地元の東北学院大に進学し、通算23勝を挙げた。忘れられない試合がある。4年前の5月21日。岸は東北工大を1安打完封し、チームを35季ぶりの優勝に導くとともに、東北福祉大の連覇を34で止めた。「よく覚えています。試合の後にみんなでベンチ裏で騒いでいました。あの頃が一番楽しかったなあ」。その試合はチェンジアップを1球も使わずに投げきった。プロ入り後にレベルを上げた球種。この日は11安打されたが、チェンジアップは1本も打たれなかった。

 昨年から続く火曜日の連勝は13に伸びた。「(カードの)頭は大事だと思っているので」。週の頭で6連戦の初戦。エース級の投手に投げ勝ってきただけに、大きな価値がある。チームは今季5度目の4連勝で、貯金を最多の17とした。渡辺監督は「3点でよく収まった。粘り強く投げた結果」と、本調子ではなくても勝てる投球に目を細めた。凱旋勝利を挙げた岸は、4年連続の2ケタ勝利に王手をかけた。

 ▼西武・中島(5回に左前適時打など2安打)良いところで回ってきたので、あしたも打ちたいですね。
 ▼西武・細川(岸について)調子が良くなくてもこういう投球ができるのは成長したところだと思います。

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2010年6月23日のニュース