まさに老練…下柳、7回を4安打無失点

[ 2010年6月4日 23:07 ]

 【阪神6―2オリックス】打者を圧倒するようなスピードも球威もない。それでも打ち取れるのだから面白い。阪神の下柳はまさに老練という投球で7回を4安打無得点に抑え、4月20日以来の3勝目を挙げた。

 お立ち台の42歳はいつものように「城島のリードが良かった」と素っ気なく言ったが、79球に持ち味がぎっしり詰まっていた。例えば三回1死からの場面。好調の坂口には追い込んでから外の低めのスライダーを振らせたかと思えば、続く赤田には直球で大胆に内角を突いて2者連続の三振。真弓監督が「いい投球だった。球の切れが良かったし、コントロールも良かった。完ぺき」と絶賛したのもうなずける。
 前回登板の西武戦では6回2失点ながら先に失点し、敗戦したことを悔やんだ。この日は序盤に打線が好機を逃したのにも耐え「何とか粘って先に点を取られなくて良かった」と雪辱した。四回には自らのバットで先制の適時打を放つなど、投打で流れをもたらした。
 セ・リーグの最年長完封記録も狙えるかと思われた。本人は「いやもうばてばてです」とかわしたが、いつか可能と思わせる熟練の技を見た。

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2010年6月4日のニュース