異例!FA権取得即交渉…ベイ内川引き留め

[ 2010年6月4日 06:00 ]

横浜スタジマムで打撃練習を行った内川

 横浜が、3日に国内フリーエージェント(FA)権の資格を取得した内川聖一内野手(27)に対し、4日に横浜市内で残留交渉を行うことが分かった。2008年に首位打者を獲得、さらに昨春のWBCでの活躍で球界を代表する右打者に成長した同選手の引き留めに、異例ともいえるFA権取得翌日の電撃交渉となる。

 「ハマの安打製造器」の流出阻止へ、電光石火の交渉が行われる。内川は、08年に右打者最高打率・378をマーク。今季もここまで打率・320の好成績を残しており、今や紛れもなくチームの顔だ。佐藤球団常務は「誰が考えても横浜にとって必要な選手であることに間違いない」と話し、4日の交渉で、来季以降も不可欠な戦力として、全力で慰留に努める方針だ。
 球団は昨オフ、水面下で数度にわたり複数年契約を打診したが、内川はこれを固辞。「自分の可能性を広げるため、1年で勝負したい」との強い希望で単年契約を結んでいた。内川は国内FA権の資格取得条件を満たしたこの日、横浜スタジアムでの全体練習に参加。「10年間もベイスターズのユニホームを着てきたので、今はほかのユニホームを着てプレーする姿は想像がつかない」とする一方で、「(FA権を行使するかどうかは)将来を左右する決断になってくる。野球選手としてレベルが高いところでやりたいというのは本能。試合に集中するが、シーズンが終わるまでには考えたい」と他球団への移籍の可能性にも含みを持たせた。
 球団はあらためて複数年契約を提示する方針で、エースの三浦が02年オフに6年16億円(出来高含む)の大型契約を結んだ例からも、看板野手に見合う最大限の条件を用意して誠意を伝えていく。さらに尾花監督も「当然でしょ。言うまでもないでしょ」と話し、今後も継続的に行われるシーズン中の会談で直接出馬する強い意向を示した。
 フジテレビアナウンサーの翼夫人からも「“好きなようにやっていいよ”と言われている」と明かした内川。4日の第1回交渉でどこまでの方向性が出るのか、注目が集まる。

 ≪来季は海外資格も取得≫内川は順調に行けば来季、海外FA権の取得条件を満たす。大リーグ挑戦に関しては「行きたいと思ったとして、(向こうが)“欲しい”と言ってくれないと。今はメジャーの仕組みが分からない状況なので、そうするなら勉強しないと」と話すにとどまった。

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2010年6月4日のニュース