ダルのために!稲葉V弾から5連打4点

[ 2009年11月2日 06:00 ]

<日本シリーズ 日・巨>3回2死一、二塁、糸井の二塁打で一塁走者・小谷野が阿部を吹き飛ばして生還する

 【日本ハム4―2巨人】怒とうの5連打の口火を切ったのは稲葉だった。3回2死から内海のスライダーを振り抜いた打球は右翼への先制ソロ。今ポストシーズン1号に「手応えはあった。何とか食らい付いて塁に出ようと思った」と顔をほころばせた。

 WBC日本代表のチームメートでもあった内海には、6月6日の交流戦でも本塁打を含む3打数2安打と得意にしていた。「この前、僕に打たれてるのを覚えてるみたいで、にらみつけてきた。負けないようにしようと思った」。06年の日本シリーズでは2本塁打の活躍でMVPに選ばれた37歳。その恐ろしさが凝縮された打席でもあった。
 フルカウントから3球続けてファウルで粘った。2球はチェンジアップで1球は直球。粘りながら内海の球種を減らした。残る球種はスライダー。「真っすぐとチェンジアップが多いとは聞いていた。いつスライダーが来るかなと見極めながらファウルしていた」。そして9球目。甘く入ったスライダーを仕留めた。この主砲の一発から5連打と打線がつながり、一気に4点を挙げ、内海をKOした。
 巨人には特別な思いがある。ヤクルト時代、当時の野村監督に「巨人を倒せば優勝できる」と口酸っぱく言われ続けたからだ。さらに、敵将はWBCで自身を4番に起用してくれた原監督。「嫌な打者だと思わせたい」と意気込んでいた。そして「本調子じゃなくても痛がらず淡々としていたダルビッシュを何とか勝たせてやりたかった」とエースの背中にも心は奮い立っていた。
 初戦は12安打を放ちながら、12残塁と拙攻が目立ったが、リーグを制したつなぎの野球が復活。「2死から4点取ったことに価値がある。ファイターズらしさが出たね」。日本一になった2006年も、第1戦で敗れた後に4連勝。主将の一発で、打線は本来の輝きを取り戻した。

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2009年11月2日のニュース