稲葉 ノムさんに恩返し猛打!再び単独首位

[ 2009年7月2日 06:00 ]

<日・楽>梨田監督(左)とハイタッチする稲葉篤紀

 【日本ハム10―5楽天】スタンドが揺れた。2回、3点を先制してなおも2死満塁。イナバ・ジャンプの大応援に押され、稲葉の集中力は研ぎ澄まされた。「2死だから思い切っていこうとした。前の打席で空振り三振した球をうまく打てましたね」。カウント1―2から140キロ直球を叩いた打球は左中間フェンスを直撃する走者一掃の二塁打。この回、打者11人の猛攻で6点。初対戦となる楽天の先発左腕・藤原を一気にマウンドから引きずり降ろした。

 打線の“つながり”で攻略した。「初めての投手だし、球質の体感も右打者と左打者で違う。打ってつなぐ。四球でつなぐ。言葉でつなぐこともあるんだよ」と梨田監督。初回に141キロ直球に空振り三振を喫した稲葉も「球速はそうでもないが、手元で伸びていた」とベンチで情報交換。これができるから12球団トップ、チーム打率・291の打線が存在する。
 ヤクルト時代に野村監督から“頭を使った野球”を叩き込まれた稲葉は4回にも右翼線適時二塁打を放つと、6回は中前打。3安打4打点の活躍はファンへ御礼の意味があった。6月29日に発表された球宴のファン投票では両リーグ最多の49万8353票。「期待に応えたい一心でプレーしている。きょうは皆さんも満足して帰ってもらえたんじゃないかな?」と笑った。
 今季2度目の先発全員安打でチームは今季最多の貯金13。同率だったソフトバンクの試合が雨天中止となったことで再び単独首位に立った。

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2009年7月2日のニュース