愛のムチ?原監督 内海を酷評「ニセ侍」

[ 2009年4月21日 06:00 ]

笑顔の東野(左)とは対照的にに厳しい表情でトレーニングを続ける内海

 巨人・原辰徳監督(50)が20日、先発投手でただ1人開幕から勝ち星が付いていない内海哲也投手(26)に強烈な“愛のムチ”だ。日本代表監督として世界一に輝いた3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンの一員でもあった左腕を「ニセ侍」と酷評。投手陣の柱としての自覚と奮起を促した。チームは9勝3敗2分けで首位を快走。内海はヤクルトとの首位攻防3連戦の第2戦(佐賀)に先発予定だ。

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 期待しているからこそ厳しい言葉を並べた。チームは21日のヤクルト戦に備え名古屋から空路長崎入り。所用で一時帰京するために名古屋駅の新幹線ホームに姿を現した原監督は3試合で0勝1敗、防御率5・06の内海について「侍スピリットがない。今のままでは“ニセ侍”だ」と酷評した。

 4年連続2ケタ勝利を目指す内海。ただWBCは3月19日の2次ラウンド・韓国戦に先発したが、それ以外は中継ぎ待機だったため、満足な先発調整ができないまま開幕を迎えた。今季初登板の4日の広島戦(東京ドーム)は7回途中1失点と力投したが、ここ2試合は四球が失点に絡むなど“侍”らしからぬ投球で6回も持たずに降板した。先発枠には東野、福田という育成を考慮して起用されている投手もいるだけに、グライシンガーとの2本柱として原監督が内海に寄せる期待は大きい。所用を済ませて長崎に向かう羽田空港でも「内海は投手陣を引っ張らなくてはいけない存在なんだ」と語気を強めて左腕の奮起を促した。

 内海も現状打破のために必死だ。この日は川崎市のジャイアンツ球場で68球のブルペン投球。投げ急ぎで上体が前に突っ込んでいたフォームを修正した。原監督の“猛ゲキ”を伝え聞くと「次がラストチャンスだと思ってやる。巨人にはいい投手がたくさんいるから」と2軍落ちも覚悟するほど悲壮な決意を示した。

 内海が不調ながら、チームは開幕ダッシュに成功。先発が崩れても、打線が粘り、層が厚い中継ぎ陣がフル回転することで白星を重ねている。「とにかく自分の投球をしたいです」と内海。まずは今季初勝利を挙げて“ニセ侍”という不名誉なニックネームを返上する。

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2009年4月21日のニュース