“恐怖の1番”岩村 5出塁もサヨナラ負け

[ 2008年9月8日 06:00 ]

 【レイズ4-7ブルージェイズ】レイズの岩村明憲内野手(29)が6日(日本時間7日)、ブルージェイズ戦で3安打2四球とメジャー初の1試合5出塁をマーク。初の敬遠四球、守備位置を変える“岩村シフト”など警戒される中で気を吐いた。ただ得点には結びつかず、延長の末に逆転サヨナラ負け。9月はこれで1勝4敗となり、初のプレーオフ進出、地区優勝へ正念場を迎えた。

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 岩村が“恐怖の1番打者”として認められた。地区首位レイズを支えるリードオフマンに、ブルージェイズが強打者並みの対応策をとった。

 初回の第1打席で二塁ベース上を通過する中前打を放った岩村に対し、ブ軍内野陣は3回の第2打席で遊撃スクタロを二塁ベース後方に立たせた。センターに抜ける打球を防ぐ“岩村シフト”だ。しかし「自分のヒットゾーンがそこに出ているので、締めてくるのは当然」とお構いなしに、ジャンプしたスクタロの頭上を越えるライナーの安打を中前に放った。6回も相手は同じシフトで「ショートの定位置に打とうと思った」が、強烈なゴロは今度はスクタロの正面へ。“岩村シフト”との対決は、1勝1敗の引き分けとなった。

 通常のシフトに戻った延長10回は三遊間を破り、今季9度目の“猛打賞”。こうなると相手はまともに勝負はしない。12回2死二塁で捕手は立ち上がり、2年目で初の敬遠となった。「次の打者が打たなければ、敬遠の数は増える」。この日は2番アップトンが2併殺を含む4打数無安打。岩村は5度出塁しながら1度も本塁を踏めなかった。

 チームは9回に3点差を追いつき、13回に勝ち越しながら、守護神パーシバルがその裏、ゾーンにまさかの逆転サヨナラ満塁弾を被弾。2位レッドソックスも敗れたために2・5ゲーム差は変わらなかったが「(自分は)5タコ、6タコだろうと、どんな形でも勝たないと」と悔しがった。

 9月は1勝4敗となり、球団初の地区優勝を目指す若いチームにとっては正念場。8日からはレッドソックス、ヤンキース、再びレッドソックスと3連戦が続く。「大事なのは自分たちの力を信じること」。ヤクルトで優勝経験がある岩村の力が今こそ必要だ。

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2008年9月8日のニュース