中田に“中途半端スイング”禁止令

[ 2008年2月12日 06:00 ]

紅白戦4回無死、中田はバットを放り投げて空振り三振

 日本ハムの高校生ドラフト1巡目・中田翔内野手(18=大阪桐蔭)が11日、沖縄・名護で行われた紅白戦に3番・三塁で先発出場し、2打数無安打、1四球と不発に終わった。4回の第2打席では金沢健人投手(29)のスライダーに“バット投げ”でファウルを狙ったが、結果は空振り三振。フルスイングを注文する梨田昌孝監督(54)は空振り三振を容認しながら、怪物を真の4番へ育て上げる。

 球史に残るスラッガーへと育てるため、中途半端なスイングはご法度だ。梨田監督の言葉に当然、力がこもった。「きょうはバットに当てようとする姿勢が見られた。結果を求めずに振ってほしいよね」
 4回の第2打席だ。金沢に2―1と追い込まれると、5球目の外角スライダーにタイミングを外された中田は、カットを狙ってバットを投げた。しかし、両手を離れたバットは遊撃前まで転がっていく。7日の紅白戦で喫した空振り三振と同じようなシーンだった。
 指揮官の言葉は“何でも振り回せ”の意味ではない。ただ、中田には誰にもマネできない武器がある。パワーと飛距離だ。10日、阪神との練習試合(名護)で場外弾デビューを飾ったルーキーと対戦する投手にしてみれば、フルスイングされることが一番の恐怖。2ストライクと追い込まれても小さくまとまってほしくないのだ。
 「日本だけじゃなく、世界を代表するスラッガーになる素質がある。変なことを考えずに不器用になってほしい」と平野打撃コーチ。それで結果が三振となっても今は仕方がないという。中田自身も“バット投げ”を反省した。「あれはやめた方がいいですね。打撃フォームを崩していく可能性もあるし」。通算87発をかっ飛ばした高校時代は、これで際どい球をファウルにしてきたが、相手はプロの投手。今後はこの悪癖を封印し「追い込まれても来た球を打つだけ。自分の持ち味を出したい」と誓った。
 そうと決めれば即行動に移す。全体練習後は左太腿内転筋を痛めたスレッジの代わりに居残り特打を敢行すると、中堅から右方向への強い打球を意識しながら168スイング。サク越え13発をマークした。免除されていた夜間練習にも志願参加すると約1時間、バットを振り続けた。
 「練習はきついけど、集中してやれた」。フリー打撃前には外野席のファンに打球注意を呼びかける“怪物警報”も発令された。ファンが期待するのはフルスイング。ド派手な一発も、豪快な空振りも18歳の怪物には似合っている。

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2008年2月12日のニュース