開幕大本命だ上原 調整スキなし

[ 2008年2月12日 06:00 ]

ブルペンで投げ込む巨人・上原

 巨人の上原浩治投手(32)が11日、今キャンプ最多の211球を投げ込んだ。昨季開幕投手を務めた内海や木佐貫が脇腹痛で別メニュー調整となる中、首脳陣にあらためて開幕本命を印象づけた。抑えから先発に復帰するエースは、今キャンプ中はブルペン重視の調整を打ち出し、実戦登板を極力避ける方針。順調にいけば3月上旬にオープン戦初登板、同22日のアスレチックス戦(東京ドーム)で最終調整し、開幕に備えるつもりだ。

 ブルペンが“上原劇場”と化した。同じ組の投手陣が投球を切り上げる中、黙々と投げ続けた。日付と同じ211球目となるラスト1球。右打者の内角にズバッと直球を投げ込んだ上原は、満足そうな表情を浮かべた。
 「球数は関係ない。自分が納得いくまで投げただけ。日付と一緒?たまたまだよ。まあ、いい投げ込みはできたと思う」。事もなげに話したが、球数を聞いたクルーンのあきれた表情が圧巻の内容を物語っていた。
 先発に復帰する今季は調整法を変えて臨む。「今年はブルペンで多めに投げて、実戦での登板は少なくする」。もともと肩の仕上がりの早いタイプとあり、過去のキャンプでは早い時期に打者と対戦することで感覚を磨いてきた。昨年こそ左ふくらはぎ痛で出遅れたが、06年は2月14日にシート打撃に登板。しかし、今回は「実戦登板は最終クールくらいになる。シート打撃も1回ぐらいでしょう」と話した。
 理由は今キャンプで習得中の新球、シュートにある。右打者の懐を鋭く突くシュートは、シート打撃や紅白戦では、味方相手だけに思い切って投げられない。だからブルペンで多めに投げて先発としてのスタミナをつけながら、新球をマスターしようという考えだ。
 この日から練習に合流した槙原臨時投手コーチは「あらためていい投手だね」と手放しで絶賛した。内海と木佐貫が脇腹痛で離脱したこともあり、自身8度目の開幕投手はほぼ確実。アクシデントがない限り、3・22アスレチックス戦(東京ドーム)で最終調整した後、中5日で3・28開幕ヤクルト戦(神宮)を迎えるとみられる。エースに一分のスキも見当たらない。

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2008年2月12日のニュース