優勝できる!田中も長谷部もバッチリ

[ 2008年2月12日 06:00 ]

練習後の少年野球教室前に、長谷部(左)田中(右)は左右量打席に入る

 楽天・野村克也監督(72)が11日、沖縄・久米島キャンプを視察した前オーナーの三木谷浩史球団会長(42)にリーグ優勝の“公約”を掲げた。紅白戦で先発対決した大学・社会人ドラフト1巡目ルーキー長谷部康平投手(22=愛知工大)と昨年の新人王・田中将大投手(19)の好投に手応え十分。3年契約最終年を迎える知将が、悲願のAクラスどころか、パ・リーグ制覇へ突っ走る。

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 サングラスのレンズの向こうに、頼もしげな視線が浮かんだ。パーカー姿で視察した三木谷球団会長が明かした野村監督の“公約”。ルーキー長谷部と田中の好投が指揮官のV宣言につながったことが、うれしかった。
 「安定しているね、長谷部は。新人王?新人王より優勝だってさ、監督は。チャンスだって言っていたよ」。1月にオーナー職を退いた三木谷会長。TBSの株式保有問題などで最近、公の場での発言は減っていたが、野村監督の自信がじょう舌にさせた。
 キャンプイン以来、投手陣の充実ぶりにご機嫌の指揮官。さらに心を躍らせたのはルーキー左腕だった。紅組先発で迎えた紅白戦初登板で、MAX143キロを計測するなど2回を1安打無失点。打者7人の初球すべてにストライクを取る制球力も披露した。2回は3者連続三振の満点デビューに、長谷部も「初回は力んだ部分があったけど、2回は力を抜いて投げられた。きょうの段階なら100点満点」と自画自賛。野村監督は「使えるかもね。まだ太鼓判は押せないけど。技巧派だからそう映るのかな。でもまとまっていることは事実。四球で崩れることはないな」と報道陣には慎重に言葉を選んだが、確かな手応えが三木谷会長への“本音”となった。
 だからこそ手綱は緩めない。9日夜、田中とともにテレビ出演した長谷部が「新人王宣言」。それに対し「とんでもない。まずは1軍に残ることが先だろ。その段階を通り越して何が新人王だ」と初めてカミナリを落とした。実は長谷部を抽選で引き当てたドラフト当日「2年連続新人王やな」と言ったのは指揮官本人。リップサービスをいさめたのも本気で優勝を狙う決意の表れだった。
 競うように紅白戦初登板の白組先発・田中も2回を1安打1四球の無失点。昨季新人王の上々の滑り出しに、指揮官は「マー君は大丈夫。2年目のジンクスはどっかに飛んじゃうな」と笑った。宿舎では兵庫・伊丹から駆けつけた両親にあいさつされ「体の丈夫なお子さんですね」と感謝の言葉を並べたほど。
 若い左右両輪、孝行息子2人の存在が集大成への確信となっている。2年ぶりに復活した監督ミーティングを終えた指揮官は球団会長への決意を繰り返した。
 「チャンスだよ、チャンス」。名将が本気度全開、パの頂点を獲りにいく。

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2008年2月12日のニュース