未完の左腕・村中が先発へ猛アピール

[ 2008年2月12日 06:00 ]

阪神との練習試合で力投するヤクルトの村中

 【ヤクルト6―3阪神】新生スワローズの上昇株は星野チルドレンの本格派左腕だ。ヤクルト3年目の村中恭兵投手(20)が、阪神との練習試合に2番手で登板。最速146キロの力ある球で2回を内野安打1本の無失点に封じ、開幕先発枠入りへアピールした。

 まだあどけなさの残る瞳で、捕手のミットだけを見つめた村中は「相手は意識せず、自分のいい球だけ投げようと思った」。3回1死から藤本を146キロ直球でボテボテの遊ゴロ、4回先頭の鳥谷も直球で三飛など、阪神主力にまともなスイングをさせなかった。
 昨年8月のプレ五輪大会(北京)では2試合に登板。日本代表・星野監督が「後はハートだけ」と認める好素材は、オフのハワイウインターリーグへの武者修行で「実戦で投げて自分の間を覚えた」と手応えをつかんだ。過去2年のキャンプは左肩、腰などの故障に悩まされたが、今年は心身ともに充実。直球に加えスライダー、フォークなど変化球も安定。ブルペンでの評価もうなぎ上りだ。視察した巨人・杉山スコアラーは「イキがいい。化けたら怖い」、中日・前田スコアラーも「直球で空振りが取れるし、堂々としている」と警戒を強めた。
 初陣を飾った高田監督は「落ち着いていた。このままいってくれたら」と村中に期待を寄せた。新人の加藤(慶大)、由規(仙台育英)、2年目の増渕らに注目が集まる中、未完のサウスポーが開幕ローテーション争いに名乗りを上げた。

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2008年2月12日のニュース