平田憲聖が初V 全英切符ゲット!“ミレニアム世代”からまた新星「少しは恩返しができたかな」

[ 2023年5月29日 04:45 ]

男子ゴルフツアーミズノ・オープン最終日 ( 2023年5月28日    岡山県 JFE瀬戸内海GC=7461ヤード、パー72 )

プレーオフを制しガッツポーズの平田(撮影・井垣 忠夫)
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 5位から出た平田憲聖(22=ELECOM)が6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算17アンダーで並んだ中島啓太(22=フリー)とのプレーオフを3ホール目で制してツアー初優勝を飾った。1973年のツアー制度施行後、区切りの400人目の初優勝者。上位4人に与えられる全英オープンの出場権は平田、中島のほか、安森一貴(25=オータニ広尾CC)、金谷拓実(24=Yogibo)が手にした。

 ポーカーフェースを貫いてきた平田に笑みが浮かんだ。18番パー5を舞台にしたプレーオフ3ホール目。グリーン右手前のバンカーから放った3打目をピタリと寄せると、1メートルのフックラインをねじ込んだ。元世界アマチュアランク1位の中島を下してのツアー初勝利。「本当に素晴らしいプレーヤーで、そう簡単に勝てないことは分かっていた。勝つことができて、自信になった」と胸を張った。

 最終日は首位と5打差でスタート。4番まで苦しい展開が続いたが、その後は6バーディーの猛チャージで首位を一気にとらえた。「パーでしのいでチャンスで取ることを強く思ってプレーしていた」。最終ホールで中島に並ばれたものの、4日間通じてパーキープ率1位の粘り強いゴルフで、チャンスは逃さなかった。ミズノとブランドアンバサダー契約を結んでおり、今大会はホストプロ。ホストとしての優勝は15年の手嶋多一以来となり「本当にうれしい。少しは恩返しができたかな」と目を細めた。

 大院大高2年時の17年に関西アマで優勝。大阪学院大3年で日本学生選手権を制した21年にプロ転向した。ツアー最終予選会で2位に入り、プロ1年目となる昨季は賞金シードを確保。今年は4月の関西オープンで6位に入るなど高い実力を示してきたが、同じ2000年度生まれの蝉川、中島には常に先を越されてきた。蝉川が2勝目を挙げた昨年10月の日本オープンはテレビ観戦。「同世代で優勝している姿を見て、刺激にはなったけど、悔しい気持ちも抱いた」。ライバルたちの存在が成長を促した。

 初めての優勝賞金の使い道を問われ「お母さんに乾燥機を買ってあげたい。ちょっとでも楽になってもらえたら…。乾燥機は高いので」と初々しさも見せた22歳。ツアー初優勝は全英切符付きで、海外メジャー初出場に「楽しみです」と胸を躍らせた。この勝利は、あくまで通過点。男子ゴルフの将来を担う“ミレニアム世代”に、また新たな才能が現れた。

 ≪愛犬2匹の名前はププとビビ≫ 
☆生まれ 2000年(平12)11月26日生まれ、大阪府吹田市出身の22歳。

 ☆サイズ 1メートル70、70キロ。血液型はO。

 ☆競技歴 祖父と練習場に行ったことをきっかけに7歳からゴルフを始める。大院大高―大阪学院大。21年の日本学生優勝。同年、大学3年在学中にプロ転向。プロ1年目の昨季はツアー選手権で7位に入るなど、賞金ランク58位でシード権を獲得。

 ☆家族 父・憲良(のりよし)さん(62)、母・勝美(まさみ)さん(55)、姉・璃乃(りの)さん(25)。

 ☆愛犬 ミニチュアシュナウザー2匹。名前は、ププとビビ。「全部可愛い。存在自体が全部癒やし。ゴルフを頑張れる理由の一つ」と溺愛中。

 ☆ミズノのイチ推し プロアマ大会でともにラウンドした、ミズノの水野明人社長は「これから将来、勢いが出てくるんじゃないかな」と開幕前に最も注目する選手として名前を挙げていた。

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