大栄翔 三役で2場所連続2桁勝利 来場所は3関脇の“トリプル大関獲り”挑戦へ

[ 2023年5月29日 04:39 ]

大相撲夏場所千秋楽 ( 2023年5月28日    両国国技館 )

若元春(右)を突き倒しで下す大栄翔(撮影・島崎忠彦)
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 大栄翔が関脇対決を制し、三役で2場所連続2桁となる大きな10勝目を手にした。若元春と豊昇龍も先場所に続いて2桁勝利を挙げており、佐渡ケ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)は名古屋場所(7月9日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)が3関脇による“トリプル大関獲り”になると明言した。霧馬山も含めた4関脇の全員2桁勝利は、史上初。前日に優勝を決めた横綱・照ノ富士は大関・貴景勝を下し、14勝で締めくくった。

 絶対に負けられない、大栄翔の気迫が前面に表れた。鋭い立ち合いから回転の良い突っ張りで攻め続け、土俵下まで豪快に突き倒し。前日に貴景勝を圧倒するなど急成長中の若元春を相手に、何もさせない完勝だった。「2桁勝ちたいという気持ちがあった。内容として(今場所で)一番よかった」。勝てば大関獲りにつながる一番で、最高の相撲を取り切った。

 次の大関を狙う関脇バトルは、場所前から始まっていた。初日を4日後に控えた今月10日、時津風部屋に4関脇が集結。激しい申し合い稽古で火花を散らした。「負けたくない気持ちになる」と話した大栄翔。「上がりたいという気持ちを持ってやらないと上には行けない」。春場所の優勝決定戦で苦杯をなめさせられた因縁の相手・霧馬山が一足先に昇進となり、さらに闘志に火がついたはずだ。昇進を預かる佐渡ケ嶽審判部長からは「“俺が先に上がる”という気持ちで頑張ってほしい」とあおられた。

 直近2場所で合計22勝しており、21勝の豊昇龍、若元春を一歩リードする。逆転で2度目の賜杯を逃した春場所の悔しさは「“あの経験があったから”といつか言いたい」と糧にしてきた。そう言える日は、すぐにやって来るはずだ。

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