琉球 Bリーグ7季目で悲願初V 昨季&天皇杯のW雪辱果たした フリッピン“有言実行”の活躍でMVP

[ 2023年5月29日 04:42 ]

BリーグCS決勝第2戦   琉球88-73千葉J ( 2023年5月28日    横浜アリーナ )

初優勝を果たし、喜ぶ琉球の選手たち
Photo By 共同

 リーグ史上最多1万3657人の観衆を集めて2戦先勝方式の決勝第2戦が行われ、琉球(西地区1位)が千葉J(東地区1位)に88―73で勝利し、2連勝で初優勝を果たした。昨季は決勝で宇都宮に敗れて準V。3月の天皇杯決勝は千葉Jに敗れて頂点を逃しており、2つの雪辱を果たした。ポイントガードのフリッピン・コー(27)が途中出場で27分プレーし、チーム最多21得点。決勝MVPに輝き、日本代表入りをアピールした。

 金の紙吹雪を浴び、琉球の選手たちが喜びを爆発させた。bjリーグ時代は4度頂点に立ったが、Bリーグでは発足7季目で悲願成就。初優勝の立役者となったフリッピンは「終了のブザーが鳴った時はいろいろな感情が湧いた。沖縄のプライドを持っているし、優勝はプライスレス。本当にうれしい」と実感を込めた。

 大舞台で最高のパフォーマンスを発揮した。6本中3本の3点シュートを決めるなどチーム最多21得点、8アシストと躍動。9分43秒の出場で3度のターンオーバーを犯した第1戦の低迷を帳消しにして余りあるプレーで、決勝のMVPを獲得した。2季前は千葉Jに在籍して優勝を経験。決勝前、親交の深い富樫には「俺なしで千葉Jは優勝していない」と豪語し「彼なしで優勝したい」と返されていたが、有言実行の活躍となった。

 生まれ育ちは米国だが、母が沖縄県出身の日本人で日本国籍を持つ。幼い頃は夏場を沖縄で過ごすことも多かった。今夏に沖縄などで開催されるW杯に出場する日本代表では、ポイントガードとして富樫、河村勇輝(横浜BC)、テーブス海(滋賀)に次ぐ、4番手以下の立場。抜群の身体能力を誇り爆発力はあるだけに、好不調の波を減らすことが、地元開催の世界舞台に立つ鍵を握る。

 ◇フリッピン・コー 1996年5月20日生まれ、米カリフォルニア州出身の27歳。母が沖縄県出身の日本人で日本国籍を持つ。NCAA(全米大学体育協会)カリフォルニア大リバーサイド校、NAIA(カレッジ体育協会)ドエイン大を経て、19年6月に千葉Jに加入。21年6月に琉球に移籍した。19年のウィリアム・ジョーンズ杯で日本代表デビュー。試合前の瞑想(めいそう)がルーティン。1メートル88、75キロ。

 ≪ジンクス打破できず 終盤失速で3冠逃す≫千葉Jは地区優勝、天皇杯を含めた史上初の3冠を逃した。第2Q途中で最大15点のビハインド。第3Qで一度は逆転に成功したが、終盤失速した。レギュラーシーズン(RS)はリーグ史上最高勝率で東地区を制覇。過去RSの最高勝率チーム、天皇杯優勝チームはCSで優勝しておらず、ジンクスを打破できなかった。司令塔の富樫は両チーム最多24得点と奮闘。「ここまで苦しめられた試合がRSではなかった。それぐらい順調だったので」と唇をかんだ。

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