協会後手後手…認識は“力士間のトラブル”報道受けようやく調査

[ 2017年11月15日 08:00 ]

日馬富士 暴行認め謝罪、「負傷」休場

テレビのインタビューに答える八角理事長
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 相撲協会は貴乃花親方、伊勢ケ浜親方の話を聞いた上で、鏡山理事(元関脇・多賀竜)が責任者を務める危機管理委員会の調査を始めることになった。八角理事長(元横綱・北勝海)は「やることをしっかりやる」と事実関係を徹底究明することを約束した。だが、相撲協会の対応は早いとは言えなかった。

 貴乃花親方が鳥取県警に被害届を出したことで、相撲協会の危機管理部長でもある鏡山理事の元には今月2日に連絡が入った。同理事は3日に貴乃花親方と伊勢ケ浜親方に話を聞いたが、この時点で両親方とも暴行の詳細を把握していなかったため、それ以上追及することはなかった。迅速に貴ノ岩、日馬富士に事情聴取をしていれば事態の重大さが明らかになっていただけに、日馬富士が九州場所の土俵に上がることもなかったと考えられる。

 11日には臨時理事会が開かれたが、暴行については話題にすら上らなかったという。ある古参理事は「こんなことに時間を割いていられないよ」と話し、力士間の単なるトラブルとの認識でしかなかった。本格的に調査に乗り出したのはスポニチ本紙の報道を受けてのことだった。

 危機感が欠如している体質の中、過ちは繰り返された。元横綱・朝青龍が10年に起こした暴行騒動などを受け、相撲協会は再発防止のための講習会を開いてきたが効果はなかった。八角理事長は「脇を締めていたつもりだったが残念。場所中でファンに申し訳ない」と謝罪の言葉を並べた。

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