日馬の暴行問題 協会内には秋巡業中から噂 しらを切り通すつもりだったのか

[ 2017年11月15日 08:30 ]

日馬富士 暴行認め謝罪、「負傷」休場

報道陣から質問を受ける日馬富士
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 【記者の目】日馬富士の暴行問題は、近年の相撲人気に水を差す大スキャンダルとなった。相撲協会も決して無策だったわけではない。過去に起きた不祥事の再発防止のため、危機管理委員会を設置し、力士を集めた講習会を毎年定期的に開いてきた。それでも再び問題は起きた。相撲界に巣くう根深い暴力体質を感じさせた。「加害者」である横綱の処分は、場所後の危機管理委員会の本格的な調査を待って下される見通しだが、決定が遅れれば遅れるほど世間から厳しい視線を注がれることになる。

 日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方の責任も重い。協会内には秋巡業中から暴行の噂は広まっていた。警察からの問い合わせが協会にあったことも分かっていたはず。しかしその間、師匠がどのように弟子に対応していたかは不明だ。横綱は問題が明らかになってから謝罪会見を開いたが、公にならなければ、しらを切り通すつもりだったのか。初場所から九州場所2日目まで続いていたチケット完売を意味する札止めは3日目にストップした。今回の暴行問題は相撲人気の終わりの始まりを予感させる。(編集委員・大渕 英輔)

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2017年11月15日のニュース