貴親方「被害届取り下げない」、10月下旬に提出 警察聴取へ

[ 2017年11月15日 05:30 ]

日馬富士 暴行認め謝罪、「負傷」休場

日本相撲協会の事情聴取に向かう貴乃花親方(右)
Photo By 共同

 日馬富士から暴行を受けた貴ノ岩の師匠・貴乃花親方(元横綱)が、10月下旬に鳥取県警へ被害届を提出済みであることが明らかとなった。県警はトラブルの有無など事実関係の捜査を進め、今後は日馬富士や関係者から事情を聴くとみられる。14日、日本相撲協会から事情聴取を受けた同親方は「被害届を取り下げるつもりはない」と話しているという。

 暴行があったとみられるのは鳥取市で行われた秋巡業を翌日に控えた25日。その後、暴行の事実を知った貴乃花親方は29日の広島県福山市で終了した秋巡業後に鳥取に舞い戻り鳥取県警に被害届を提出した。ただ、貴ノ岩が暴行に関して多くを語らなかったため、詳細が分かったのは場所直前になってからのようだ。

 自身が担当部長を務める巡業期間中に起こった力士のトラブル。貴乃花親方は被害届の提出を伝え、相撲協会に「いきさつが全く分からなかったため」と説明。「被害者、加害者の両方とも管理できていない。私にも責任がある。いち早く究明したい」と担当部長としての反省の弁もあったという。

 伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も貴乃花親方とともに相撲協会から事情聴取された。日馬富士が暴行をはたらいたことを知ったのは今月上旬のもようで、その時点で貴乃花親方に電話で謝罪。11日の臨時理事会で顔を合わせた時にも頭を下げ、この日の事情聴取の際で謝罪は3度目となった。審判部長代理の同親方は十両の審判長の任務を終えると「もう(事情聴取で)しゃべっているから。今は場所中だから」と険しい表情で話した。

 ▼横綱審議委員会北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)協会による事実確認に基づいて、審議することになる。全力士の模範となる高い品格を持つはずの横綱が暴力沙汰を起こしたのであれば、大相撲全体に対する評価にも大きく影響する。協会の厳しい処置を求めることになるだろう。

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