18年目山下、逆転初Vへ2差 利き手の握り変えてイップス克服

[ 2015年4月19日 05:30 ]

チューリップの花が咲く横を歩く山下

男子ゴルフツアー 東建ホームメイト・カップ第3日

(4月18日 三重県桑名市 東建多度カントリークラブ・名古屋=7081ヤード、パー71)
 山下和宏(41=ザ・サイプレスGC)が66で回り、通算9アンダーの首位と2打差2位に浮上した。アプローチとパットのイップスを克服し7バーディー、2ボギー。クローグリップの苦労人がプロ18年目の初勝利を目指す。H・W・リュー(33=韓国)が通算11アンダーで単独首位。3打差の4位に谷口徹(47=フリー)、5打差の8位に桑原克典(46=ミズノ)らベテランが続いた。

 あんなに苦しんでいたのがうそのようだ。アプローチとパットのイップスに陥っていた山下が大変身。66を出して初優勝を視界に捉えた。

 スタートの1番で5メートル、2番で3メートルを入れて連続バーディー。クローグリップ(利き手をかにのはさみのように持つ握り)がはまり「思い描いた通りに打てる」と自信を取り戻すと、7番ではグリーン外からSWでのアプローチがピタリと寄りパーでしのいだ。悩みが解消されるとショットも好転、12番からは4連続バーディー。「まだ(イップスから)卒業はしていないけれど、成功体験を少しずつ積み重ねられた」と光明が見えた。

 典型的な遅咲きだ。ゴルフを始めたのも15歳からと遅く、プロ転向後10年で稼いだ賞金は約80万円。初めて賞金シードを獲得したのは11年目だった。苦労は続く。過去8回経験した最終日最終組の平均スコア(72・875)が示すようにツアーきっての好人物は最終日が鬼門。いまだ優勝をつかめていない。

 「今までと違って凄く前向きな気持ちでやれている。グリーン周りが苦手なところでここまでやれた。チャンスはある」。プロ18年目の苦労人の花がいよいよ咲くか。

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