桐生 悔しい200m3位…注目100mへ「勝利への飢え増した」

[ 2015年4月19日 05:30 ]

200m決勝で桐生(左)は優勝した藤光(中)と2位の橋元に差をあけられ3位に終わる

織田記念国際陸上第1日

(4月18日 エディオンスタジアム広島)
 男子200メートルの桐生祥秀(19=東洋大)は予選で自己2番目のタイムとなる20秒56をマークしたが、決勝は20秒80にとどまり3位に終わった。昨年9月以来の同種目出場で距離の壁を痛感し、目標だった自己ベスト20秒41を更新できなかった。19日の100メートルで日本初の公認9秒台を叩き出し、悔しさを晴らす。

 表彰式後の行動に、桐生が味わった悔しさがにじみ出ていた。金色じゃない輝きなんて見たくもない。200メートル3位の銅メダルをすぐにかばんにしまった。昨年9月以来の同種目で、優勝した藤光に0秒37差の完敗。「タイムは今の調子ではかかりすぎ。ショックですね。もがいた感じ」。笑みを交えて振り返ったものの、その目は笑っていなかった。

 予選は自己2番目の20秒56をマークしたが、爆発力を欠いた。「久々に(200メートルを)走ったんで長い。なかなかゴールに着かない」。決勝の号砲前も同じ思いがよぎる。「なげぇな」。スタートからスピードに乗れず、最後はガス欠に陥って1学年上の早大3年・橋元にも敗れた。「筋肉痛も疲れるところもない、ダメダメなレース」と辛口だ。

 3月、テキサス・リレーの100メートルで追い風参考ながら9秒87をマークして優勝。好調をキープして臨んだ今大会、200メートルでは洛南高3年時に出した自己ベスト20秒41の更新を狙っていた。まさかのタイムに終わったことに加え、負けた自分が許せない。「勝つことが楽しい。楽しむためにも勝つ。テキサスでも9秒台でも2位だったらショックだった」。桐生が目指しているのは、速いだけでなく、強いスプリンターだ。

 19日の100メートルに向け、この日の結果が桐生の闘志に火を付けたことは間違いない。「勝利への飢えが増した。3番は悔しいって、その思いができただけ良かった。きょう(18日)のことは忘れて、しっかり100メートルを走りたい」。トップでフィニッシュして悔しさを置き去りにした時、日本初の公認9秒台が歴史に刻まれる。

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2015年4月19日のニュース