松岡修造氏が徹底分析 8強勝因“圭に勝てない”恐怖心の残像

[ 2015年1月27日 07:32 ]

フェレールのショットをフォアハンドで返す錦織(AP)

全豪オープンテニス第8日 男子シングルス4回戦 錦織 6―3、6―3、6―3 フェレール

(1月26日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 圭は驚いたと言っていたが僕もびっくりした。きょうのフェレールは鉄壁のフェレールではなかった。しつこくもないし、凡ミスも44本。最初から崩れていた。

 その原因は昨年の4連敗にあったはずだ。特に昨年11月のATPツアー・ファイナルでは、打てば入る圭の“スーパーゾーン”を見せられて負けている。それが深い刻印となって、完璧な恐怖心として残ってしまっていた。錦織圭には勝てない。コートに入ったときからそう思っているのが透けて見えた。

 2セットアップした時点で、圭はスーパーゾーンに入ろうとしていた。腰をぐっと落として、力が入っている時はまだゾーンの状態。そうではなく、足は完全に突っ立ったままボールが来たらラケットを振るという打ち方をする。それが合図だ。だがそこで何回かミスが出たことで、圭はスーパーゾーンに入ることを思いとどまった。「姿勢を低く、低く」と手でジェスチャーしていたように、この試合に関しては余計なことをせず、エアケイができる場面もあったがしなかった。この試合で勝つ、ということに凄く集中していたのだと思う。

 第5シードのプレッシャーに打ち勝ってのベスト8だから大喜びしたっていい。でも勝った後の喜ばない圭の姿。もう次のワウリンカに向かって戦闘モードに入っていた。いやあ凄い選手。とんでもないところにいっちゃった。ワウリンカはランキングは上位だが、テニスの引き出しやエネルギーは圭の方が上回っていると思う。しかも今の圭は全米オープンの頃より間違いなく強くなっている。(スポーツキャスター)

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