沙羅 個人総合2位後退…用具変更で不振深刻5位「迷走中」

[ 2015年1月27日 05:30 ]

5位に終わった高梨沙羅

 ノルディックスキーのW杯ジャンプ女子は25日、ドイツ・オーベルストドルフで個人第6戦(HS106メートル、K点95メートル)が行われ、高梨沙羅(クラレ)は90メートル、90・5メートルの213・1点で5位に終わり、3連覇を狙う個人総合得点で2位に後退した。ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が97・5メートル、89・5メートルの234・3点で2連勝し、個人総合首位に浮上。今季2勝目で通算7勝目を挙げた。

 踏み切りに勢いがなく、空中での伸びも欠いた。高梨は追い風と低いスタート位置に対応できず、2回ともK点のはるか手前に着地。大飛躍を連発してきたW杯女王が飛距離で珍しく大差をつけられた。「自分でも目をつぶりたくなるぐらい最悪の内容だった。迷走中」と自己分析するほど不振は深刻だ。

 微妙なずれの原因は用具。昨年の夏にスキーとブーツをつなぐ金具を新型に変更したが、破損が相次ぎ、開幕戦後に昨季まで使っていた古いタイプに戻した。助走路の滑りを新しい金具に合わせて調整していたため「癖から抜け出せない。慣れるのに時間がかかっている」という。24日の個人第5戦は3位と踏ん張ったが、この日は表彰台にも届かなかった。

 「今はまず自分のジャンプの内容を変えていきたい」と金メダルに挑む世界選手権(2月18日開幕、スウェーデン・ファルン)へ向けて立て直しに集中する。個人総合2位に後退したが、優勝争いを気にする余裕はない。飛躍の映像を父でコーチの寛也さんに送って助言を仰ぐとともに、オーベルストドルフに残って2日間練習するという。苦しむエースは「練習で一つ一つやっていきたい」と言葉を絞り出した。

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