ソチ五輪 暖冬対策で「雪貯蔵作戦」 東京ドーム半分の量

[ 2013年8月8日 09:35 ]

冬季五輪が行われるロシア南部ソチのスキー競技会場近くで、白い断熱シートに覆われ保管されている雪

 半年後に開幕するロシア・ソチ冬季五輪の組織委員会は7日、暖冬に備え今年の降雪を貯蔵する様子を共同通信などに公開した。東京ドームの半分を満たす計約65万立方メートルの雪が集められ、特殊な断熱シートの下で保管される。これほど本格的な「雪貯蔵作戦」は五輪史上初という。

 貯蔵場所はスキー競技などを行う標高1200~2千メートルの斜面。数カ所に分散され、高さ10メートル以上に積まれていた。組織委の広報担当者は「解けたのは約10%」で、来年2月の五輪開幕までに「計25%が解けると見積もっている」と話す。

 天然雪と、比較的解けにくい人工雪を半々に保存。約2億5千万ルーブル(7億3千万円)の巨費がかかり「五輪でなければできない」(同担当者)。雪の貯蔵自体はロシア古来の生活の知恵で、夏の冷蔵庫替わりに使った時代もあるという。

 組織委は「保存雪を使う事態は考えたくない。人工降雪機もあり、雪量は心配ない」と言うが、ソチの平野部は、通常は冬も氷点下にならない温暖な地。今年2月には、五輪のテスト大会を兼ねたスノーボードなどのワールドカップ(W杯)の一部種目が雪不足で中止された。(共同)

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2013年8月8日のニュース