猪瀬知事「東京には余力残っている」マドリード浮上20年五輪招致

[ 2013年7月4日 20:23 ]

 2020年夏季五輪招致を目指す3都市が3日に国際オリンピック委員会(IOC)委員に行ったプレゼンテーションで、東京は「安心、安全な五輪」を訴えて好反応を得たが、深刻な経済危機で劣勢とみられたマドリードがそれを上回る高い評価を受け、優勢とされた東京に迫った。

 イスタンブールが反政府デモで失速したのを機に6月、東京は安全性と確実さが評価されて優位に立った。しかし開催都市を決める9月7日のIOC総会(ブエノスアイレス)まで残り約2カ月で激しく競り合う展開となり、猪瀬直樹知事は4日、「東京にはまだ余力が残っている」と述べ、ラストスパートに意欲を示した。

 プレゼン後、古参のパウンド委員(カナダ)は「マドリードがベストだった。メッセージをきちんと伝えていた」と明言。セーリング選手として1992年バルセロナ五輪に出場したスペインのフェリペ皇太子が「スターだった」と称賛した。

 6月に東京優位と見ていた欧州のベテラン委員は「マドリードが最高だった。フェリペ皇太子は感情に訴えた。以前のプレゼンとは別次元だった」と話し、マドリードの巻き返しを指摘した。

 IOC委員でもある招致委員会の竹田恒和理事長は4日、「マドリードが上がってきている。フェリペ皇太子のプレゼンが情感にあふれ、完璧な英語で威厳もあって素晴らしかった」と分析。「東京は予定通りに進んでいる。最後まで気を抜かずに戦うが、次に来るのはイスタンブールという委員もいる。両都市とも侮れない」と警戒した。(共同)

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2013年7月4日のニュース