東京に好反応も…ライバルも高評価「マドリードがベスト」

[ 2013年7月4日 11:15 ]

IOC委員へのプレゼンテーションを終え、記者の質問に答えるスペインのフェリペ皇太子(中央)ら

 2020年夏季五輪招致を目指す3都市が3日、国際オリンピック委員会(IOC)委員に行ったプレゼンテーションで、東京は「安心、安全な五輪」をアピールして好反応を得たが、マドリードがそれを上回る高い評価で浮上した。招致レースのヤマ場で東京はライバルを突き放せず、接戦で終盤戦に突入することになった。

 古参のパウンド委員(カナダ)は「マドリードがベストだった。メッセージをきちんと伝えていた」と明言。プレゼンではセーリング選手として1992年バルセロナ五輪に出場したスペインのフェリペ皇太子が「スターだった」と称賛した。

 6月に東京優位と見ていた欧州のベテラン委員は「マドリードが最高だった。フェリペ皇太子は感情に訴えた。以前のプレゼンとは別次元だった」と話し、マドリードの巻き返しを指摘した。

 前回16年五輪招致のIOC委員へのプレゼンでは、高評価を受けたリオデジャネイロが勢いを得て圧勝した。バッハ副会長は「前回とは違い、まだ3都市の争いは続く」と述べ、リオと同様の明確な流れは生まれなかったとの認識を示した。

 優勢だったイスタンブールが反政府デモで失速したのを機に、東京は安全性と確実さが評価されて優位に立った。スペインの深刻な経済危機が影を落としていたマドリードの猛追を受け、開催都市を決める9月7日のIOC総会(ブエノスアイレス)まで残り約2カ月で激しく競り合う展開となった。(共同)

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2013年7月4日のニュース