表 逃げ切りV、8シーズンぶり歓喜「本当に苦しかった」

[ 2013年6月10日 06:00 ]

3番、ティーショットを放つ表

女子ゴルフツアー ヨネックス・レディース最終日

(6月9日 新潟県長岡市 ヨネックスCC=6336ヤード、パー72)
 39歳のベテランが涙の逃げ切り優勝だ。首位で出た表純子(39=中部衛生検査センター)は、ノーボギーと安定したプレーで、2バーディーを奪い70をマーク。通算10アンダーの206でツアー通算3勝目を飾った。05年7月のスタンレー・レディース以来となる7年327日ぶりの勝利はツアー歴代5位のブランク記録となった。
【最終R成績】

 勝利の瞬間、表はキャディーで夫の広樹さん(42)と抱き合った。表彰式では、後輩プロから「キス」のコール。観衆が見守る中で照れくさそうにしながら夫の頬に3度キスした。「本当に苦しかったけど、ゴルフをやっていて良かった」。8シーズンぶりの歓喜に涙を流した。

 11年のニトリ・レディース以来となる最終日首位スタート。当時は逆転を許して2位となったが、この日は3、4番でバーディーを奪うと崩れることなく逃げ切った。森田が7つスコアを伸ばし2打差まで迫る中、「プレッシャーもあったけど思い切り振っていこうと思った」と目の前の一打に集中した。今季からスピン量の少ないボールを使い、1Wの飛距離は最大20ヤードアップ。平均飛距離こそ240ヤードだが、先週のリゾートトラスト・レディースでは飛ばし屋の森田より飛ぶこともあった。2打目で持つクラブが短くなったことで、今季のパーオン率68%は10位。苦手なアプローチの回数が減り、今大会はボギー1つで済んだ。

 01年9月の結婚後、広樹さんがバッグを担ぐ。この日は緊張から歩く速度が上がると「ゆっくり」と声を掛けてもらい、焦りそうな時は背中を叩かれ励まされた。オフは掃除、洗濯など身の回りの世話をしてくれる。「睡眠時間は9時間」と高笑いするが、睡眠中、夫は音も立てず小さなライト一つで本を読む。愛する人の献身的な支えで39歳は現役を続けられる。

 師事する岡本綾子からは「まだまだ老け込むな」としったされる。自身より若い古閑美保、米山みどりが一昨年に引退。「まだやっているの?と思われているかと思うと」と弱気になったこともあった。だが、8年ぶりの優勝で「岡本さんに言われた45歳までやりたい」と意欲。「元気だけが取りえ」と話すその声は若々しかった。

 ◆表 純子(おもて・じゅんこ)1974年(昭49)2月2日、広島県広島市生まれの39歳。広島商高時代はバスケットボール部に所属しインターハイ、国体で活躍。卒業後は静岡県内のゴルフ場の研修生となりプロを目指す。4年後の96年にプロ入り。05年のシャトレーゼ・クィーンズで初優勝。同年のスタンレー・レディースで2勝目を挙げる。1メートル59、65キロ。得意クラブは1W。血液型B。

 【勝者のクラブ】▼1W=テーラーメイド・グローレ(ロフト角9・5度、シャフトの長さ45・75インチ、硬さSR)▼3、5、7W=同(ロフト角15度、18度、21度)▼4、5、6U=テーラーメイドRBZステージ2▼7I~PW=テーラーメイド・グローレ・フォージド▼ウエッジ=テーラーメイドATV(52度、58度)▼パター=テーラーメイド・レイラー・ゴースト▼ボール=テーラーメイド・リーサル

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