ナダル 2度目の4連覇、4大大会初の同一大会8度目栄冠

[ 2013年6月10日 06:00 ]

男子シングルスで優勝を決めガッツポーズのナダル

全仏オープン最終日

(6月9日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルス決勝で、第3シードのラファエル・ナダル(27=スペイン)が6―3、6―2、6―3で第4シードのダビド・フェレール(31=スペイン)を下し、4年連続8度目の優勝を果たした。同一の4大大会で8勝は史上初の快挙。4大大会通算12勝はロイ・エマーソン(オーストラリア)と並び歴代3位となった。女子ダブルス決勝はエカテリーナ・マカロワ、エレーナ・ベスニナ組(ロシア)が2連覇を狙ったサラ・エラニ、ロベルタ・ビンチ組(イタリア)を7―5、6―2で破って初優勝した。

 2度目の4連覇の瞬間が訪れると、ナダルは「特別な場所」という赤土の上に仰向けになって歓喜の雄叫びを上げた。「とってもうれしい。これまでのキャリアの中で最もうれしい。家族や支えがなければ勝てなかった。(8度目の優勝は)夢に見たこともなかった。子供の頃から頑張った結果」。優勝インタビューで笑顔を見せた。

 序盤はフェレールのストロークに押し込まれた。我慢のテニスで左右への揺さぶりに食らいつき、第1セット第6ゲームをキープすると、その後は7ゲームを連取し、主導権を握った。しかし、第2セット第7ゲーム前に発炎筒を持った観客がコートに乱入し、試合を妨害。雨が降る会場にさらに水を差す形となったが、それでもナダルは集中力を切らさず、ストレートで勝負を決めた。

 「今年はいろいろあった」。試合前のインタビューで話したように、昨年6月のウィンブルドン後に左膝を痛め、長期離脱。1月の全豪オープンでの復帰を目指していたが、胃の感染症で欠場を余儀なくされた。2月のVTRオープンで復帰。復帰後8大会に出場し、6勝。完全復活を果たしたかのように見えたが、この日も左膝にテーピングをしていた。事実上の決勝戦と言われ、フルセット戦ったジョコビッチとの準決勝から中1日。決して万全の状態ではなかった。

 男子で同一の4大大会8勝は史上初の快挙。前人未到の記録を前に「特別な気持ちで臨んだ」と話した赤土の絶対王者。全仏オープンはこれで59勝1敗。得意のローランギャロスで新たな歴史をつくった。

 ◆ラファエル・ナダル 1986年6月3日、スペイン・マジョルカ島生まれの27歳。4歳からテニスを始める。01年にプロ転向。08年に北京五輪金メダル。10年に全米オープンで4大大会を全て制した。12年6月のウィンブルドン後に左膝を負傷し、長期欠場が続いていたが、2月のVTRオープンで復帰。左打ち。1メートル85、85キロ。

 ▼フェレール 応援してくれた皆さんに感謝したい。ラファエルにもおめでとうと言いたい。彼がベストプレーヤー。全力を尽くして次のチャンスをつかみ、また決勝に戻って来る。難しいが全力を尽くしたい。

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