古川躍進5位「いきなり当たりだした」メダル獲得チャンス

[ 2012年7月28日 06:00 ]

男子ランキングラウンドで的を狙う古川高晴(左端)と菊地栄樹(右から2人目)

 アーチェリーは開会式に先立ち、27日にローズ・クリケット場でランキングラウンド(RR)を行い、日本の古川高晴(27=近大職員)が、679点で5位に入る躍進を見せた。

 古川は前半、最高10点の円内になかなか入らず苦戦。だが、途中から降りだした雨で開き直り「早く帰りたいから、ポンポン打ったのがよかった」と巻き返して順位を上げた。時差ぼけなどで苦しんでいたが「きょうになっていきなり当たりだした」と予期せぬ復調を喜んだ。

 RRの結果により、5位は1回戦で60位の選手と対戦。ベスト8までは上位選手と当たらない。3度目の五輪となる古川にとってはメダル獲得の大チャンスで、日本代表の新海監督は「古川はここに懸ける強い思いがある」と話した。昨年の東日本大震災で、青森市にある古川の実家も停電などで苦しみ、今でも「がんばろう日本」と書かれた矢筒を使う東北人が魂を込めて射抜いた。

 古川の活躍で、菊地、石津との合計2009点は日本新記録。団体も5位に入った。「これで満足せず、次も挑戦したい」。28日の男子団体、30日からの男子個人に大きな期待がかかる。

 ▽ランキングラウンド(RR) 個人戦、団体戦の決勝ラウンドの対戦相手を決めるための予選。出場する全64人が1人72射(720点満点)して順位を決め、個人戦は「1位対64位」「2位対63位」と、あらかじめ決められているトーナメント表に振り分けられる。強豪同士が1、2回戦でぶつからないようにするシステムで、上位進出の鍵を握る。決勝ラウンドは1対1の勝ち抜き戦で、1回戦から6回勝てば優勝となる。

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2012年7月28日のニュース