北島挑む 3連続2冠なら五輪全競技で104年ぶり

[ 2012年7月28日 06:00 ]

スタンドに手を挙げてプールから引き揚げる北島

 競泳男子平泳ぎ2大会連続2冠の北島康介(29=日本コカ・コーラ)は27日、本番会場の水泳センターで最終調整を行った。練習前には日本チームの円陣に参加して気合を入れ、28日から始まる100メートル予選に備えた。競泳男子初の3連覇、そして全競技を通じて104年ぶりの3大会連続2冠の偉業へ向けて、準備は整った。

 本番会場にいる選手、関係者の視線を日本チームが独占した。練習開始前に日本選手たちはプールサイドに集合すると、円陣を組み、そこに北島も加わった。星奈津美と加藤ゆかと肩を組み、一緒に大声を張り上げた。ミーティング会場で行われることが多い勝利の儀式をあえて衆人環視の場で行い、他国にプレッシャーを与えた。

 北島は大切なレースの前にそり落とす無精ひげを残したまま。指笛で盛り上げ、時折笑顔を見せるなど落ち着いた様子だ。練習は最後にスタートダッシュを2本入れて締めくくった。恩師の日本代表の平井ヘッドコーチは「泳ぎは(日本記録を出した)4月より力強さがある。切れがもっと出てきたらいい。きのうよりスイッチが入ってきた感じがする」と語り“初戦の”100メートル予選へ向けて仕上がりは順調だ。

 偉業のかかる戦いがいよいよ始まる。競泳男子で3連覇は、過去に誰も成し遂げていない。今大会でそれを狙う権利があるのは北島と北京五輪8冠の怪物フェルプス(米国)だけ。初日の400メートル個人メドレー決勝でまずフェルプスに「世界初」のチャンスがあるが、6月の米国代表選考会ではロクテ(米国)に敗れており、29日に100メートル決勝に挑む北島が先に“勲章”を手にする可能性は十分ある。

 さらに200メートルも制して、個人種目3大会連続2冠となれば、五輪の全競技を通じて、陸上の立ち幅跳びと立ち高跳びで1900、06、08年で3連覇したレイ・ユーリー(米国)以来104年ぶりの快挙となる。平井ヘッドコーチは「以前は(3連覇を目指すのは)外国人の話だと思っていた。感慨深いものがある。やり遂げてほしい」と期待した。北島の伝説への挑戦が幕を開ける。

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2012年7月28日のニュース