沖縄から5人目!17歳比嘉がアマ女子日本一

[ 2011年6月26日 06:00 ]

優勝カップを掲げる比嘉真美子

日本女子アマチュア選手権最終日

(6月25日 兵庫県の宝塚GC=6216ヤード、パー72)
 沖縄の新星がアマチュア女子日本一に輝いた。36ホールのマッチプレーによる決勝戦で、比嘉真美子(17=沖縄本部高3年)がチヒロ・イケダ(20=フィリピン)を6&5の大差で下し初優勝を飾った。10代選手の優勝は12年連続。沖縄出身選手の優勝は宮里藍らに続いて5人目となった。比嘉は来春の高校卒業後にはプロテストを受験予定で、女子ゴルフ界にまた楽しみな選手が加わりそうだ。

 狙い通りの優勝、そして想像以上の圧勝だった。比嘉は白い歯を見せながら「優勝しか考えてなかったので、それが実現できて本当にうれしい」と優勝トロフィーを大事そうに抱きしめた。

 1番パー5で2オンに成功し、いきなりのバーディーで先手を取った。その後も3、4、5番と立て続けに取り、前半18ホールを終えた時点で7アップの圧倒的なリード。後半に入っても手綱を緩めることなく、5ホールを残して早々と決着をつけた。

 沖縄からは上原彩子、宮里藍、宮里美香、諸見里しのぶに続き5人目の優勝になる。ゴルフを始めた11歳から、諸見里を育てた嘉数森勇コーチの指導を受け、大会期間中には米国にいる宮里美から何度も応援メールが届いていた。近年活躍が目立つ沖縄の系譜を受け継ぐとともに、その強さをあらためて印象づける勝利でもあった。

 ただし、偉大な先輩たちと違う個性が比嘉にはある。それは飛距離だ。瞬発力に優れた肉体から繰り出す1Wは平均飛距離260~270ヤード。09年末には石川遼も参加したドラコン大会に出場。打ち下ろしに追い風の条件ながら315ヤードをかっ飛ばした。この日もプロ顔負けの飛距離でイケダを常に約40ヤード後方に追いやり試合を有利に進めた。

 あこがれの選手は、同じく飛ばし屋で、世界ランク1位のヤニ・ツェン。来年にはプロテストを受験する比嘉は「その前に9月の日本女子オープンも優勝を目指す」と勇ましい一言。「3年、遅くとも5年以内には賞金女王を獲って米ツアーに挑戦したい」とどこまでも広がる夢を追いかけていく。

 ◆比嘉 真美子(ひが・まみこ)1993年(平5)10月11日、沖縄県国頭郡本部町生まれの17歳。バスケットボールをしていたが、小5からゴルフを始める。中3で全国中学選手権を夏春連覇し、昨年は全国高校選手権や日本ジュニアで優勝。ナショナルチームにも選ばれた。ツアー出場経験も豊富で、09年ダイキンオーキッド・レディースでは15歳4カ月で予選を通過して12位でベストアマ獲得。身長は1メートル60。

 ≪イケダさばさば「やるだけはやった」≫イケダは比嘉の勢いの前になすすべなく敗れた。一度もリードを奪えず「パワーで圧倒された。やるだけやった」とさばさばとした表情で振り返った。日本生まれで小2まで滋賀県で育ち、その後フィリピンに移住。今後は日本ツアーの予選会を受ける考えで、将来的にはプロの舞台で比嘉と再戦する時が来るかもしれない。

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