サントリー雪辱!9年ぶり4度目V

[ 2011年2月28日 06:00 ]

<日本選手権決勝 三洋電機・サントリー>ノーサイドの瞬間、歓喜の輪を広げるサントリーフィフティーン

日本選手権決勝 サントリー37―20三洋電機

(2月27日 秩父宮)
 トップリーグ・プレーオフ決勝の再戦となった決勝でサントリーが37―20で三洋電機に雪辱し、9年ぶり4度目の優勝を果たした。サントリーは0―3の前半11分にWTB小野沢宏時(32)のトライで逆転すると、素早い展開から5トライを奪取して快勝。就任1年目のエディ・ジョーンズGM兼監督(51)が掲げる攻撃ラグビーで頂点に立った。4月1日にパナソニックの完全子会社となる三洋電機は史上3チーム目の4連覇を逃し、有終の美を飾れなかった。

 サントリーが創部30周年の節目のシーズンで日本一に輝いた。リズムのいいライン攻撃で相手防御網を何度も切り裂いた。トップリーグ(TL)最少失点の三洋電機が5トライ奪われたのは今季初。1月30日のTLプレーオフ決勝で23―28で敗れた相手に雪辱したNo・8竹本主将は「1カ月前の悔しさを晴らした。自分たちのラグビーを信じて80分間やりきることができた」と胸を張った。

 元オーストラリア代表監督に鍛えられた選手の運動量は衰えなかった。徹底した走り込みと食事制限で125キロから15キロ減量した日本代表プロップ畠山らFW陣が奮闘。素早い集散でボールを奪った。後半は9点差に迫られた25分に素早い展開からWTB長友がトライ。外国人指揮官として初めて日本選手権を制したジョーンズ監督は「FWが前に進んでBKが展開するサントリーらしいプレーができた」と手放しで喜んだ。

 指揮官は「私の使命は次の30年に向けて明確なプレースタイルを確立すること」と誓い、ボールを蹴らないで徹底的につなぐ攻撃ラグビーの完成を目指した。TLの開幕3試合は1勝2敗と低迷したが、動揺する選手の前で「自分たちを信じろ」と自信を植え付けた。9月22日のサテライトリーグのクボタ戦を継続ラグビーで55―23と快勝。FB有賀は「B(2軍)が素晴らしいラグビーをしてくれてチームが変わった」と以後、チームは上昇曲線を描いた。

 サントリーは単一事業所に選手が集まる東芝や三洋電機と違って一体感がなかった。ジョーンズ監督は食堂で携帯電話の使用を禁止して会話を増やし、選手を4グループに分けて交代でクラブハウスを清掃させた。選手も試合前日にはバーに集まって、連帯感を高めてきた。チーム一丸で9年ぶりの日本一に輝いたジョーンズ監督は「来年はトップリーグと2冠を獲る」と宣言。攻撃的ラグビーで頂点に立ったサントリーの黄金時代がここから始まる。

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2011年2月28日のニュース