琴光喜が証人出廷「賭博をばらされることが恐怖だった」

[ 2011年2月28日 16:47 ]

 大相撲の野球賭博事件で、元大関琴光喜から現金を脅し取るなどしたとして、恐喝などの罪に問われた元力士古市満朝被告(38)の公判が28日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であり、元琴光喜本人が検察側証人として出廷した。

 元琴光喜は現金を渡した理由や現在の心境について「野球賭博をマスコミにばらされることが恐怖だった。相撲協会を解雇されると思った。(事件を)早く忘れたい」と語った。

 元琴光喜が事件後、公の場で話したのは初めて。法廷では傍聴席、被告人席との間についたてが設けられた。

 元琴光喜は、自分の名前で元大嶽親方(元関脇貴闘力)の賭け分も申し込んでいたとされ、地裁は同日、元大嶽親方を弁護側証人に採用することを決定した。

 この日は、元琴光喜に対する恐喝未遂などの罪に問われた指定暴力団山口組系組幹部安田善彦被告(46)に判決が言い渡された。登石裁判長は「違法な賭博にかかわった(当時の)現役力士ら被害者の弱みにつけ込んだ卑劣な犯行」として、懲役3年4月(求刑懲役4年)を言い渡した。

 判決によると、安田被告は古市被告ら2人と共謀し昨年3月、床山を通じて呼び出した元琴光喜に「暴力団員が『賭博をやっていることをばらされたくなかったら1億円出せ』と言っている。8千万円は払ってもらう」と迫り、現金を脅し取ろうとした。

 また古市被告と共謀し09年12月、古市被告と賭博をめぐって金銭トラブルになっていた胴元役の元幕下力士山本俊作被告(35)=賭博開帳図利ほう助の罪で起訴=に因縁を付け、300万円を脅し取った。

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2011年2月28日のニュース