池田“地元愛”で連覇!大会新23アンダーV

[ 2010年10月25日 06:00 ]

優勝し仲間からの胴上げを受ける池田勇太

 男子ゴルフツアーブリヂストン・オープン最終日は24日、千葉県千葉市の袖ケ浦カンツリークラブ袖ケ浦コース(7138ヤード、パー72)で行われ、池田勇太(24=日清食品)が“地元愛”で自身初の連覇を飾った。2打差の2位からスタートして10バーディー、ノーボギーの62と大爆発。前日に片山晋呉が記録したコースレコードに並び、通算23アンダーは大会新記録となった。地元・千葉でホストプロとして勝ち取った今季3勝目、通算7勝目で賞金ランクは4位に浮上し、賞金王争いにも名乗りを上げた。石川遼(19=パナソニック)はボギーなしの64で回ったが、通算9アンダーの22位に終わった。

【最終R成績


 ウイニングボールを拾い上げた池田は、どうだとばかりに周りを見渡した。「泣くっていうよりも“やってやった!”という気持ちだった」
 地元での大会には家族や友人、顔なじみのコーススタッフの声援があり、ホストプロとしての責任があった。自分のためだけでなく、すべての期待に応えて勝ち取った連覇。そこには1カ月前のANAオープン優勝時に見せた感激の涙はなかった。
 「強敵」と認める片山晋呉を追いかけての最終日。5番のバーディーで早々と首位に並ぶと、松村道央に追い上げられても、そのたびに突き放した。「自分の調子がいい時はアイアンがさえ渡る」。ショットは打てばピンに絡み、パットもカップ目がけて転がった。幼い頃から何度も回って「隅から隅まで知っている」という“自分の庭”で、思いのままにスコアを伸ばしていった。
 15番では難しい4メートルの下りのバーディーパットを沈めて、右手を真っすぐに突き出す正拳突きのようなガッツポーズ。そのままボールを拾うことなく次のホールに向かったさまは、池田があこがれる往年のジャンボ尾崎さながら。福田央キャディーも「ジャンボさんみたいだったね」と笑って振り返った。

 今大会で連覇を成し遂げたのは95、96年の丸山茂樹以来。当時小学生だった池田はその丸山から「今でもアルバムにしまってある」というサインをもらい、一緒に写真を撮ってもらった。10年以上たって今度は自分が連覇をつかみ「このコース、そして千葉に縁がある男なんだなと思った。僕にとっては4大メジャーよりこの大会が大切」と言い切った。

 年間3勝一番乗りを果たして賞金ランクは4位に上がった。1年前は手首や腰のケガを抱えて満身創いの優勝だったが、今季は体に何の不安もない。「2、3歩後ろにいたけど、昨年みたいに最終戦までもつれる賞金王争いをしたい」。今月上旬のテレビマッチで石川と競演した時には「片方がいい時は片方が悪い」と今季そろっての優勝争いがないことに首をひねりつつ「2人でまた優勝争いをしよう」と誓い合った。ツアーは残り5試合。2人の約束が持つ意味は、単なる優勝だけでなく、賞金王を懸けたものへと変わった。

 ≪HSBC出場もグイッ≫今大会の優勝によって池田はHSBCチャンピオンズの出場権も引き寄せた。週明けに発表される同大会の出場者リストで、今大会の優勝者は補欠リストの2番手扱い。ツアー関係者によれば繰り上がる可能性は高いという。昨年は腰痛を抱えながら51位だった池田は2年連続出場となるが「まだそこまで考えてない」と話すにとどめた。

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2010年10月25日のニュース