エースも!さくら「ミラクル」Vで賞金女王に望み

[ 2010年10月25日 06:00 ]

横峯さくらは18番グリーンでウイニングパットを沈め笑顔のガッツポーズ

 スポニチ主催の女子ゴルフツアーマスターズGCレディース最終日は24日、兵庫県三木市マスターズゴルフ倶楽部(6502ヤード、パー72)で行われ、横峯さくら(24=エプソン)がド派手な“ホールインワンV”を飾った。5番でチップインバーディーを奪った後、7番でホールインワンを決めて抜け出すと68で回り、通算10アンダーで前日首位の馬場ゆかり(27=フリー)を1打差で振り切った。今季2勝目で賞金2214万円を獲得し、23位に終わった賞金ランク1位のアン・ソンジュ(23=韓国)との差を約3300万円に縮めた。大逆転での2年連続賞金女王へ向け、さくらの巻き返しが始まった。

【最終R成績】

 2年連続の賞金女王へ望みをつなぐ軌跡を描いた。7番195ヤードのパー3。横峯は9Wを振り抜くとボールはピンの手前10ヤードで弾んだ。ギャラリーのどよめきが歓声に変わったと同時にボールはピンに当たってカップイン。自身3度目、ツアーではアマチュア時代の04年にシャトレーゼ・クイーンズ・カップの第1ラウンド17番で初めて記録して以来、2度目のホールインワン。「寄ってくれたらラッキーと思っていた。まさか入るとは」というスーパーショットが自身14試合ぶりの勝利を呼び込んだ。
 「チップインがあったり、ホールインワンがあったり、本当にミラクルだった」。4番までパーでしのいだ後の5番パー4では第2打をグリーン右手前のラフに外した。ピンまでは約20メートル。SWで狙うとフックラインに乗って「最後の一転がりで」そのままカップに入った。このバーディーが呼び水となり7番のホールインワンにつながった。
 昨年の賞金女王は今季も5月に1勝を挙げたが、その後は優勝争いに絡めず、外国勢が28試合中14勝。前戦の富士通レディースでは賞金ランク1位のアン・ソンジュが連勝し、同2位の横峯は約5400万円の大差をつけられた。「誰かが止めないといけない」。誰より責任を感じていた。
 ツアーに同行している母・絹子さん(53)は娘のじくじたる思いに気づいていた。アン・ソンジュが連勝した後は「ちょっと元気がなかった」という。だが、母が30分間のマッサージをした前夜、横峯は「最近は優勝争いから間隔が空いていた。今回はチャンス。良い意味での欲が出た」とようやく闘志を取り戻した。
 「今週が始まる前はトップが凄く遠かった。ここで優勝して少し近づけた。少しでも追いつけるように頑張りたい」。賞金女王獲りについては「心の内で思うこと」と最後まで口にしなかった。それでも、昨年は最大約4400万円差をつけられた諸見里を11試合かけ、最終戦の優勝で逆転して女王に輝いた。今季は残り5試合で約3300万円差だが「ゴルフは何が起こるか分からない」と話した。実感を込めたこの言葉こそが反撃への宣言だった。

 ≪さくらのホールインワンは3度目≫横峯にとってホールインワンはこれが3度目。試合以外では「いつかは覚えていない」が、ミズノクラシック(近鉄賢島CC)の練習ラウンドで1度あるという。今回はギャラリーにボールを投げるサービスはしなかったが、「普通、投げるんですか?ボールに傷がつくまで、確か11番まで使っていた」とあっけらかんとしていた。

 ≪特別ボーナスもゲット≫横峯のホールインワンに特別ボーナスが支給されることになった。今大会のホールインワン賞は17番で7番は対象ホールではなかったが、延田グループの延田久弐生代表取締役社長の計らいで50万円が贈られた。

 ◆スポーツニッポン新聞社賞 優勝した横峯さくら選手に大会名誉会長・森戸幸生スポーツニッポン新聞社代表取締役社長から、スポーツニッポン新聞社賞(パールネックレス)が贈られた。

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2010年10月25日のニュース