ついに横綱周辺まで…白鵬トレーナーも仲介役

[ 2010年6月24日 06:00 ]

 大相撲の野球賭博問題で、胴元と力士の仲介役として、横綱・白鵬(25=宮城野部屋)など多くの幕内力士を担当している男性トレーナー(42)が中心的な存在だったことが23日、関係者の話で明らかになった。既に捜査関係者の間でも浮上している。また、白鵬の付け人を務める幕下力士の光法(28)も警視庁から事情聴取され、野球賭博への関与を認めていることが判明。角界を揺るがす賭博問題は横綱の周辺にまで広がっていた。

 賭博問題の黒幕の1人は意外な人物だった。横綱・白鵬ら多くの関取と契約を結ぶ男性トレーナーが、力士と胴元とをつなぐ仲介人を務め、しかも中心的人物だったことが判明。関係者によると、白鵬は野球賭博に関与していない。しかし、同トレーナーは野球賭博への関与が発覚した関取の中で豊ノ島、豪栄道、豊響、嘉風、清瀬海、普天王と契約を結んでおり、胴元と力士をつなぐ1つのルートとなっていた。
 同トレーナーは18歳からトレーナーとしての勉強を開始。過去には日本オリンピック委員会(JOC)の強化スタッフとして活動した実績を持ち、08年名古屋場所から白鵬と契約した。契約してから白鵬は11場所中7場所で優勝と、タッグを組んでから最強横綱に成長した。
 同トレーナーは本場所15日間を通して東西の支度部屋を出入りし、力士の体調管理やマッサージを行っていた。5月20日発売の週刊新潮が野球賭博問題を報じると支度部屋への出入り回数が減ったが、13日目には白鵬の優勝を見守っていた。捜査関係者の間でも既に名前は浮上しており、白鵬は関係者を通じて契約を解除することを明らかにした。この日、東京から新幹線で名古屋入りした白鵬は「びっくりした」と目を丸くしたが、「自分は(賭博を)やってない。(名古屋場所では)精いっぱい頑張ります。心配しないでください」と淡々と話した。
 また、白鵬の付け人の筆頭格である宮城野部屋の幕下力士・光法(28)も警視庁から事情聴取を受け、野球賭博を認めたことが判明。光法は琴光喜や豊ノ島らと交流が深いことで知られている。抜群の信頼を置いていたトレーナーに加え、付け人までもが賭博に関与。白鵬に絡んで、角界の賭博問題が頂点から末端まで広がっていることが明らかになった。

 ≪トレーナーの「解嘱届」提出≫野球賭博の仲介役だったトレーナーをJOCの強化スタッフに推薦していた日本アマチュアボクシング連盟は23日、同トレーナーの「解嘱届」をJOCに提出した。強化スタッフはコーチやトレーナーら52競技で3600人超いる。JOCからの給与はなく、勤務先や所属先の協力を得やすくするための制度という。

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2010年6月24日のニュース