夏場所でも暴力団組長が観戦…「維持員席」2列目に

[ 2010年6月6日 15:44 ]

 今年5月に両国国技館(東京都墨田区)で開催された大相撲夏場所(5月9~23日)で、指定暴力団住吉会系組長が一般販売されていない土俵近くの「維持員席」と呼ばれる特別席で観戦していたことが6日、警視庁や日本相撲協会への取材で分かった。

 暴力団関係者の維持員席での観戦は、昨年7月の名古屋場所と今年1月の初場所でも確認されている。維持員席は高額の維持費を支払った有力な後援者や企業に割り当てられている。

 警視庁は、入場券を販売している「相撲案内所」に後援者らが譲渡した入場券が、複数の関係者を経て組長に渡ったか、相撲案内所を介さずに渡った可能性もあるとみて、経緯を調べている。

 捜査関係者によると、夏場所14日目の5月22日、スーツ姿の住吉会系組長が向こう正面の前から2列目の維持員席に座っているのを、警戒中の捜査員が見つけて相撲協会に連絡。維持員でないことを確認し、協会職員が注意して退席させたという。

 暴力団関係者の観戦をめぐっては、相撲協会は5月27日、名古屋場所で維持員席の入場券を手配した木瀬親方(元幕内肥後ノ海)を2階級の降格とし、木瀬部屋を事実上の閉鎖とするなど重い処分を下している。

 協会理事の陸奥警備本部長(元大関霧島)は「組長が座った席を持っている維持員が判明すれば、席を取り上げるなど処分の可能性もある」と話している。

続きを表示

2010年6月6日のニュース