バサロでライバル一蹴!酒井、日本歴代2位V

[ 2010年6月6日 06:00 ]

女子200メートル背泳ぎを好タイムで制し、抱き合って喜ぶ酒井志穂(奥)

 競泳ジャパン・オープン第2日は5日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子200メートル背泳ぎで酒井志穂(19=ブリヂストン)が日本歴代2位の2分7秒99で優勝した。日本人では08年北京五輪で銅メダルを獲得した中村礼子の2分7秒13に次いで史上2人目となる2分7秒台をマーク。昨年の世界選手権で4位に入った100メートルだけでなく、200メートルでも世界で戦えることをアピールし、8月のパンパシフィック選手権(米アーバイン)、11月のアジア大会(中国・広州)でのメダル獲得に期待を持たせた。

 電光掲示板でタイムを確認した酒井は、左手で小さくガッツポーズを作って笑顔を見せた。日本歴代2位の2分7秒99。「自己ベストで、初めての7秒台が出て、うれしい」。昨年のこの大会で、現在は規制されている高速水着を着て出した自己ベストを0秒75更新。中村礼子の日本記録2分7秒13も視界にとらえる好タイムは、今季の世界ランキング3位だった。
 ターンの回数が多い短水路で100メートルと200メートルとも世界記録を持つ酒井の代名詞はバサロ。スタートとターン後に得意のバサロで前に出るのが持ち味で、泳ぎそのものは飛び抜けて速いわけではなかった。だが、この日はこれまでとは違った。バサロで作ったリードを、浮き上がった後もさらに広げていく。100メートルでトップに立つと、4月の日本選手権で優勝した寺川を寄せ付けず、伸び盛りの15歳・神村の猛追も振り切った。
 100メートルは3位、200メートルは2位に終わった日本選手権。河端コーチと映像を見て振り返ると「力が入っていて、もがいているような泳ぎだった」という。その反省から、肩から大きく腕を回すローリングを取り入れた。「最後まで腕に疲れを感じなくなって、粘るレースができるようになった」。フォーム改良が、苦手だった200メートルでの飛躍的なタイム向上につながった。
 平井ヘッドコーチは「男子中心の日本チームだったけれど、女子の若手が出てきてくれるとバランスがとれる」と女子のエース候補の台頭を喜んだ。酒井は「200メートルにも自信が出てきた。100メートルの後半にも生きてくる」と胸を張った。得意の100メートルだけでなく、200メートルでも世界と戦う準備ができた。

続きを表示

2010年6月6日のニュース