藤島感涙!“同門対決”制し初V

[ 2008年9月8日 06:00 ]

プレーオフを制して初優勝を飾り、インタビューで感激の涙を流す藤島豊和

 男子ゴルフツアーのフジサンケイ・クラシック最終日は7日、山梨県富士河口湖町 富士桜カントリークラブ(7397ヤード、パー71)で行われ、今季初シードを獲得した藤島豊和(27=フリー)が念願の初優勝を果たした。東北福祉大の1年先輩だった岩田寛(27=フリー)と通算13アンダーでプレーオフに突入。1ホール目で岩田がボギーを叩いたのに対し、藤島はパーをセーブして“同門対決”を制した。

 朝まで2人でカラオケをするほど仲のいい岩田とは、ともに初優勝を懸けたプレーオフだった。1打目がバンカー、2打目もグリーン右手前のバンカーに入れた。それでも絶対に勝てると自分に言い聞かせた。
 「北京五輪の時にテレビで北島選手の2冠を見て、本当に勝ちたいという気持ちがあれば勝てるんだと思った」
 自分の身長よりも高く打ち上げる30ヤードのバンカーショット。勝利への執念とともに「10回に1回寄るかどうか」というショットは1メートルにピタリと止まった。前半で片山に3打差をつけられても、プレーオフの大ピンチも折れない心で立ち向かい「足が震えた」というウイニングパットを沈めて悲願の初優勝。大観衆の中、大粒の涙を流した。
 「大学を卒業してから本当につらかった。自分にはプロゴルファーは向いていないと思ったこともあった」。そんな中で両親や周囲の人の言葉が支えになった。初めてシード選手として迎えた今季も芳しくない成績が続いていたが、先々週の試合から大学の先輩の谷原に「トップをコンパクトに」とアドバイスを受け、今大会前には2日間で100球の打ち込みをしてショットが見違えるほど良くなった。「いつか成績が出るよ」と励まし続けてくれた両親には「心から愛しています!」とテレビを通じて感謝の言葉を送った。
 前週の甲斐に続いて20代選手が2週連続の初優勝。「男子ツアーも20代の選手が活躍すれば盛り上がるはず。競技は違うけど、北島選手みたいなプレーヤーになりたい」。2016年の五輪ではゴルフが正式競技となる可能性もある。この初優勝で藤島の“金メダル”への道がスタートを切った。

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2008年9月8日のニュース