長期政権崩壊…北の湖理事長ついに辞任へ

[ 2008年9月8日 06:00 ]

辞任が不可避となった北の湖理事長

 ロシア出身の幕内・露鵬(28=大嶽部屋)と十両・白露山(26=北の湖部屋)からマリフアナの陽性反応が出た問題で、日本相撲協会は8日に臨時理事会、評議員会を開き処分を決める。白露山の師匠の北の湖理事長(元横綱)は、警視庁の科学捜査研究所での再調査を希望しているが、既に専門の捜査機関で陽性反応が出ており、処分は免れない見通し。各理事が北の湖理事長の責任を追及するのは必至で、辞任してけじめをつけることになる。

 弟子のマリフアナ問題で北の湖理事長の辞任は避けられなくなった。相撲協会の再発防止 検討委員会では当初、8日に出るB検体の精密検査結果を受けて処分を検討する方針だった。しかし、白露山は警視庁の科捜研での検査を希望し、B検体の検査を拒否。またこの日、露鵬がB検体検査の要求を取り下げたことで、6日に判明したA検体の陽性反応の結果だけで2力士の処分を決めることになった。
 2力士は検査ではクロだが、元若ノ鵬のように麻薬取締法違反で逮捕されたわけではないため、協会内には解雇までは至らないという意見がある。関係者も「半年間の出場停止(3場所に相当)が妥当なところではないか」と語る。同委員会では2力士だけの処分を検討し、その意見をまとめて理事会に提案。理事会では2力士および大嶽親方(元関脇・貴闘力)と北の湖理事長の責任を問い、4人の処分を決める。
 ただ、北の湖理事長は弟子の白露山が潔白を主張していることから、理事会では科捜研での再検査を主張するものと思われる。現段階では辞職しない方針だが、既に辞任へ向けての外堀は埋められている。
 ある理事は「秋場所(14日初日、両国国技館)が近いからみんなピリピリしている。早く終わりにしなきゃいけない」と再検査が長引いて本場所に影響が及ぶことを懸念。また、別の理事は関係者に「相撲協会と4人(2力士と師匠)のどちらが大事かとなれば、相撲協会だ」と北の湖理事長が自らの責任問題を棚上げして再調査を求めた場合、辞任を求める考えを示唆しているという。理事会後には、役員の解任を決議できる評議員会(全親方、力士代表3人、立行司2人)が開かれるため、理事も処分の手を緩めることはできない。さらに、監督官庁の文部科学省から厳しい対応を要求されるのは必至の情勢で、世論を無視することはできない。
 北の湖理事長が辞任した場合は、協会No・2の武蔵川事業部長(元横綱・三重ノ海)の昇格が有力。6年半に及ぶ長期政権を築いたトップが、自らけじめをつけなければならない重大な局面を迎えた。

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2008年9月8日のニュース