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五輪開会式 少女の歌も“口パク”

[ 2008年8月12日 18:50 ]

 8日の北京五輪開会式で、中国国旗が五輪メーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)に入る際、9歳の少女が革命歌曲を歌う場面が、実際は別の7歳の少女が歌った“口パク”だったことが12日分かった。

 中国の通信社、中国新聞社が同日伝えた。開会式の音楽を担当した中国の著名作曲家、陳其鋼氏は「対外的な印象を考えた。国家利益のためだ」と説明しているが、国内からも批判の声が出ている。

 2006年トリノ冬季五輪開会式ではイタリアのテノール歌手、故パバロッティ氏の熱唱が後で口パクと判明したことがあるが、声が全く別人なのは極めて異例。開会式では花火の映像が合成だったと判明したばかり。

 開会式の際に革命歌曲「歌唱祖国」を歌った画面が放映されたのは林妙可さん(9)。大舞台の緊張をはねのけ、お下げ髪で笑顔を絶やさずに歌う様子がメディアで反響を呼び「微笑の天使」と大きく取り上げられた。

 ところが、実際に歌っていたのは北京大付属小学校1年の楊沛宜さん(7)だった。これについて中国のウェブサイトの掲示板では議論が沸騰。「すべての人々の感情をもてあそんだ」などと批判が多いが「国家利益のためならいいだろう」との容認論もある。

 林さんが事前に声の差し替えがあると知っていたかどうかは不明。楊さんはメディアの取材に「残念じゃない。開会式で自分の声が出ただけで満足」とコメントした。(共同)

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2008年8月12日のニュース