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野口突然の欠場に父親の稔さん「言葉ない」

[ 2008年8月12日 21:48 ]

野口みずき 左太もも筋肉痛め北京五輪欠場

 連覇の夢が戦いを前に突然ついえた。12日、レースへの出場を土壇場で断念せざるを得なくなった女子マラソンの野口みずき選手(30)。「掛ける言葉がない」「本人が1番つらいはず」。声援を送り続けてきた家族、友人が無念の心中を静かに案じた。

 「あの子が一番苦しんでいる。掛ける言葉が見つからない」。知人からの電話で欠場を知ったという父親の稔さん(55)は言葉少なに語った。

 本番を前にした突然の不調の知らせに、母親の春子さん(57)は11日に地元三重県伊勢市で足に御利益があるという神社を参拝、回復と必勝を祈願したばかりだった。

 練習に集中する野口選手とは連絡を取っていなかったという稔さんは「応援してくれる皆さんのため、足が壊れるまで走るつもりでいたと思う。よほどのことなんだろう」と静かな声で娘を気遣った。

 「(不調による出場断念は)当然の判断」と話すのは、野口選手の出身校、宇治山田商業高校(伊勢市)の陸上部顧問、山本顕教諭(47)。「生半可な気持ちではできない競技で、体調が万全でなければ無理。今はそっとしておきたい」と配慮した。

 同校の同級生で陸上部主将だった上田隆則さん(29)は「4年間一生懸命やってきて直前のけがで一番悔しいと思う。でもまだまだやれる年。4年後を目指して頑張ってほしい」と友人に声援を送った。(共同)

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2008年8月12日のニュース