藤井正弘の血統トピック

今年もあるか!?「ゴールドアリュールの法則」

[ 2015年2月18日 05:30 ]

 昨年、G1史上2位の単勝高配当を叩き出したコパノリッキーが今年は堂々の主役として連覇に挑む。同じゴールドアリュール産駒のエスポワールシチー(10年)に続く2度目の父子2代制覇は同時に、JRA・G1で唯一、歴代優勝馬の父馬がすべて異なるレースというフェブラリーSの血統的伝統を覆す勝利でもあった。「2勝目」は連覇を含めて先例がないのだが、すでにジンクス破りの実績がある同馬には当然ながら杞憂(きゆう)にすぎまい。

 さて、当コラムでは昨年のコパノリッキーの激走に「ゴールドアリュール産駒の法則」として血統面から後付け的な検証を加えた。父ゴールドアリュールのダートグレード勝ち馬のG1初出走における戦績は、昨年のフェブラリーS直前の時点で2勝(オーロマイスター=10年南部杯、クリソライト=13年ジャパンダートダービー)、2着1回(スマートファルコン=08年ジャパンダートダービー)、3着1回(シルクフォーチュン=11年南部杯)、4着1回(エスポワールシチー=09年フェブラリーS)で着外なしだった。これにコパノリッキーを加えて累計成績は【3・1・1・1】となる。ダートグレード級のゴールドアリュール産駒は、G1初戦こそ狙い時だったのである。

 あれから1年。待望の、というべきか、今年も“法則”に合致するゴールドアリュール産駒がエントリーしてきた。前走のすばるSで4勝目を挙げた昨年のユニコーンS勝ち馬レッドアルヴィスだ。

 レッドアルヴィスはNHKマイルCなど重賞4勝のカレンブラックヒルの半弟。この兄は2年前のフェブラリーSで1番人気に支持されながら、2秒8差15着という屈辱的な大敗を喫した。今回はダート部門進出を1戦でギブアップした兄の血統的雪辱戦ということにもなるわけだ。レース史上初の同一種牡馬産駒による“ワンツー”も見込んでおきたい。 (サラブレッド血統センター)

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