藤井正弘の血統トピック

日本適性も◎米No・1サイヤー

[ 2014年7月23日 05:30 ]

【新種牡馬紹介2】

 エンパイアメーカー 2000年生まれ 黒鹿毛 米国産 父アンブライドルド、母トゥーソード(母の父エルグランセニョール)北米で8戦4勝 主な勝ち鞍はベルモントS、フロリダダービー、ウッドメモリアルS 2歳産駒164頭。

 父はケンタッキーダービーとブリーダーズCクラシックに優勝した90年の米3歳牡馬チャンピオン、母も英米でGレース4勝を挙げた活躍馬というエリート血統。1番人気に支持されたケンタッキーダービーでは、伏兵ファニーサイドに足をすくわれて2着に終わったものの、プリークネスSを回避して勝負に出たベルモントSでファニーサイドの3冠達成を阻止した。以後は体調が整わず、1戦したのみで現役を引退。04年から米国で種牡馬となり、7世代の産駒を残して11年から日本で供用されている。

 2年連続で米古牝馬チャンピオンに選出されたロイヤルデルタを筆頭に、すでに米国では11頭のG1ウイナーを送り出しており、一昨年には北米チャンピオンサイヤーとなった(サラブレッド血統センター調べ)。結果として現役の米チャンピオンサイヤーが日本で種付けを行ったことになるわけで、フォーティナイナー以来の“先物買い”の成功例といえるだろう。このほど韓国に輸出が決まった重賞2勝のフェデラリスト、武蔵野S勝ちのイジゲンらの持ち込み、輸入産駒を通じて日本の競馬環境への適応力は実証済み。産駒は基本的には奥手で、交配牝馬の血統を踏まえると、在米時よりも芝に向くタイプが増える可能性大だ。

(サラブレッド血統センター)

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