藤井正弘の血統トピック

世界に知らしめたドバイ適性の継承

[ 2014年4月2日 05:30 ]

 昨秋の天皇賞を再現したようなジャスタウェイによる問答無用のぶっち切り、スミヨン=シリュスデゼーグルの奇襲を鮮やかに切り返したジェンティルドンナの決定力…。芝コースにおける日本馬の絶対的アドバンテージを世界に再認識させた今年のドバイワールドC開催。特に南アフリカの不敗馬ウェルキンゲトリクス、芝部門の北米最強牝馬ダンクを1分45秒52の大レコードで置き去りにしたジャスタウェイには、今年度の世界最高レーティング(格付け)が与えられることが予想される。

 恐らく算出の基準となるのは底を見せていなかったウェルキンゲトリクス(117ポンド)ではなく、キャリア豊富なダンクの持ちレート(117ポンド+アロワンス4ポンド)。公式レーティングは日本馬が相対的に過小評価される傾向にあるのだが、実質121ポンドの馬に8馬身差をつけたのだから、どう低く見積もっても130ポンドは楽に超える計算である。

 暫定世界チャンピオンとなるジャスタウェイはハーツクライ産駒。この父も8年前のドバイシーマクラシックを4馬身余の差で大勝した馬だった。コースは当時のナドアルシバからメイダンに移ったとはいえ、ドバイミーティングにおける変則的な父子2代制覇ということになる。4歳後半からの加速度的な成長力に加えて“ドバイ適性”も確実に父から息子に受け継がれたわけだ。かつてのアドマイヤムーン同様、ダーレーグループにとっては喉から手が出るほど欲しい血脈だろう。

(サラブレッド血統センター)

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