藤井正弘の血統トピック

【新種牡馬紹介(1)】影薄い新米パパたち

[ 2012年7月18日 06:00 ]

 今週から夏季恒例のファーストシーズンサイヤー紹介を始める。第1回は統計面から今年のルーキーたちの全体像をつかんでみよう。

 ファーストシーズンサイヤーとは、国内供用による産駒が当該年度に初めて競走年齢(2歳)に達した種牡馬のこと。今年の場合は31頭がこれに該当する。各種牡馬の産駒数の総計は昨年比544頭減の632頭で、現2歳の国内血統登録総数7020頭(輸出馬を除く)に占める割合は約9%。10頭立ての新馬で1頭いるかどうかという計算だから、例年に比べて影が薄いのは仕方ないだろう。ちなみに新種牡馬産駒のシェアが10%を切ったのは、サンデーサイレンスがデビューした翌年の95年以来、実に17年ぶりとなる。今回は“ディープインパクト元年”から2年。スーパーサイヤーの出現は時間差的に血統更新のサイクルを停滞させるようだ。

 系統別の最大勢力はサンデーサイレンス後継を軸に12頭を擁するヘイルトゥリーズン系で、以下ノーザンダンサー系7頭、ミスタープロスペクター系6頭。3強の構図は例年通りだが、今年の最多産駒サイヤー(85頭)チチカステナンゴは第4勢力のナスルーラ系に属している。産駒数2位タイ(78頭)のアルデバラン2とブラックタイドは、前者がミスタープロスペクター系で後者がヘイルトゥリーズン系。50頭以上の産駒がいるのは4番目(69頭)のノーザンダンサー系メイショウサムソンまでで、血統面のパワーバランスも新種牡馬市場の縮小均衡を反映したものとなっている。(サラブレッド血統センター)

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