藤井正弘の血統トピック

ルドルフ30年の生涯に幕 母父として3冠再び

[ 2011年10月5日 06:00 ]

 6年ぶり7頭目の3冠馬誕生が期待される秋、日本競馬史上初めて不敗で3冠を制したシンボリルドルフが30年の生涯を閉じた。「皇帝」のニックネームを奉られた現役時代の強さは伝説の域で、史上最強馬としてその名を挙げる競馬関係者も少なくない。個人的に最も印象に残っているのはギャロップダイナに差し切られた天皇賞・秋。オールタイムランキングはさておくとして、これほど「負けが似合わない」馬は、引退から四半世紀が過ぎてなお現れていないように思う。

 供用17年、血統登録頭数698、出走頭数595、勝ち馬頭数356…産駒のJRA重賞勝ち馬は4頭に過ぎない。累計記録の上では極めて平凡な成績に終わった種牡馬シンボリルドルフだが、トウカイテイオーという自身を超える可能性を示した名馬の父となっただけで十分な成功とも言えるだろう。トニービン、ブライアンズタイム、そしてサンデーサイレンスに席巻された90年代後半にもツルマルツヨシというG1級をポツンと送り出している。後発の三大種牡馬に比べても、少なくともマキシマムの種牡馬能力が劣っていたわけではないことの証明だ。

 もともとパーソロン父系は、メジロアサマ~メジロティターン~メジロマックイーンの天皇賞3代制覇に象徴される一子相伝型。今年も5頭に交配したトウカイテイオーには父系継続の望みを、そして、メジロマックイーンを母の父に持つオルフェーヴルがそうであるように「母の父シンボリルドルフ」の3冠候補が現れるという望みも捨てずにおきたい。(サラブレッド血統センター)

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