藤井正弘の血統トピック

ディープ産駒反攻へ マルセリーナの馬体減は心配なし

[ 2011年4月6日 06:00 ]

 【3・3・6・26】。これは年明け以降の3歳重賞・オープン特別におけるディープインパクト産駒の累計成績。並の種牡馬なら十分に合格点だが、2歳リーディングでサンデーサイレンス以来の衝撃的デビューを飾った大物ルーキーの数字としては、いささか物足りなさも感じる。4月3日現在の獲得賞金は3億9509万6000円で総合リーディング12位。ちなみにサンデーサイレンスは桜花賞を前にした95年4月第1週時点ですでに、トップのノーザンテーストを1億円余の差で射程に入れる4位につけていた。2歳競馬での勢いをキープしていれば、おそらくそれに近い線まで行っていたはずで、失速とはいわないまでも、種牡馬ディープインパクトにとって試練の1クールだったことは確かだろう。

 というわけで何とも微妙な戦況で迎える桜花賞は、冒頭の3勝のうちの1勝をエルフィンSで挙げたマルセリーナ、トライアルのチューリップ賞3着で優先出走権を得たメデタシ、フラワーC2着で賞金を加算したハブルバブルの3頭出し。7分の2の抽選を待つドナウブルーもいる。牡馬を含めたディープインパクト第1世代全般のクオリティーを再検証する意味でも重要な一戦だ。

 中でも依然として同性には先着を許していないマルセリーナは、オルフェーブルを物差しにすると能力的にはここでも一枚上という可能性がある。新馬が462キロ、シンザン記念3着時は456キロ、前走のエルフィンSでは448キロまで減っていた馬体を懸念する向きもあるだろうが、ディープインパクトの現役時の最高体重はデビュー戦の452キロで、凱旋門賞失格の汚名をすすいだジャパンCは436キロでの勝利だった。父と同様に身を削って完成されていくタイプと仮定すれば、馬体重にはあまり神経質にならない方がいいかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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