藤井正弘の血統トピック

ムーン“ロゴ特需”背に母の雪辱

[ 2017年4月20日 05:30 ]

 今週のフローラSは水曜付紙面で取り上げられた“名牝の孫”4頭以外にも、抽選対象の1勝馬に注目すべき血統の馬がいる。阪神ジャンプS勝ちのクランエンブレム、新潟ジャンプS勝ちのクリーバレンと、兄に2頭の重賞ジャンパーを持つムーンザムーンだ。

 ムーンザムーンの場合は「祖母」ではなく、さらに1代さかのぼった3代母スイートコンコルドがポイントになる。1978年生まれの同馬は、日本競馬史上4頭目にして初めて無敗で3冠を制したシンボリルドルフの3歳違いの全姉。この3代母にトウショウボーイ、サンデーサイレンスと、最上級の種牡馬が連続して交配された母のアズサユミは、競走馬としては1勝に終わったものの、繁殖牝馬として前記2頭の障害重賞勝ち馬の他、クイーンC3着のラルケットを産んだ。これも広い意味での“隔世遺伝”のバリエーションといえるかもしれない。

 父のローエングリンは“ロゴタイプ特需”ともいえる87頭の血統登録産駒を得た現3歳世代から新潟2歳Sのヴゼットジョリー、フィリーズレビューのカラクレナイと、すでに2頭の重賞勝ち牝馬を出している。ムーンザムーンの配合は前者同様、ロゴタイプを踏襲した「母の父サンデーサイレンス」。19年前のこのレース(当時は4歳牝馬特別)で7着に敗れた母の雪辱も可能だろう。(サラブレッド血統センター)

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